2019年3月29日金曜日

日経 高橋そら記者に不安感じた「ウォール街ラウンドアップ」

「(米国の)住宅市場がこのまま一本調子に回復に向かうのかはしばらく見極める必要がありそうだ」と書いてあったら、どう理解するだろうか。足元では「回復」傾向だとは感じるはずだ。しかし、日本経済新聞の高橋そら記者によると「直近の住宅関連指標は強弱が混在しており、米商務省が発表した2月の住宅着工件数(季節調整済み、年率換算)は前月から減少した」らしい。どうもよく分からない。
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        ※写真と本文は無関係です

28日の夕刊マーケット・投資面に載った「ウォール街ラウンドアップ~米住宅市場、底入れに期待」という記事では以下のように説明している。

【日経の記事】

住宅市場は米景気の先行きを映す鏡だ。足元で底入れの兆しが見えたとはいえ、建築業者の労働力不足や材料費高騰といった根本的な問題が解消したわけではない。直近の住宅関連指標は強弱が混在しており、米商務省が発表した2月の住宅着工件数(季節調整済み、年率換算)は前月から減少した。このため「住宅の建築活動が軟調に推移する可能性が高い」(米国野村証券)との指摘もある。

相場を動かす新たな材料に乏しいなか、市場関係者の関心は米景気の強弱を反映する企業業績や経済指標に移りつつある。今週後半にも中古住宅販売指数の公表が控えている。住宅市場がこのまま一本調子に回復に向かうのかはしばらく見極める必要がありそうだ


◎整合性の問題が…

底入れ」はしたが「このまま一本調子に回復に向かうのかはしばらく見極める必要がありそうだ」と言うのは分かる。だが、記事を読む限り「足元で底入れの兆しが見えた」だけで「底入れ」したかどうかは微妙なようだ。「『住宅の建築活動が軟調に推移する可能性が高い』(米国野村証券)との指摘もある」のならば、基調は弱いとも感じる。

なのに最後に「このまま一本調子に回復に向かうのかはしばらく見極める必要がありそうだ」と強引にまとめてしまったので、整合性の問題が生じてしまった。例えば「住宅市場が本当に底入れとなるのか、しばらく見極める必要がありそうだ」とすれば問題は解消する。

「どう着地させるか考えないまま行数を埋めて、何となくそれらしい言葉で締めてみたのかな」と疑いたくなる内容だ。高橋記者の書き手としての技量に疑問を感じさせる記事だった。


※今回取り上げた記事「ウォール街ラウンドアップ米住宅市場、底入れに期待
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20190328&ng=DGKKZO43013970Y9A320C1ENI000


※記事の評価はD(問題あり)。高橋そら記者への評価も暫定でDとする。

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