2017年2月5日日曜日

最初は期待したが…週刊ダイヤモンド「子会社族のリアル」

最初に見出しを見た時は「週刊ダイヤモンドで久しぶりに評価すべき特集が出てきたか」と思ったが、期待通りとはいかなかった。2月11日号の特集「誰も触れなかった絶対格差 子会社『族』のリアル」では、これまで注目されなかった部分にスポットを当ててはいる。だが、最後まで読んでみると、内容はかなり苦しい。
大分駅(大分市) ※写真と本文は無関係です

まず、持ち株会社傘下の子会社をどう捉えるかという問題から逃げている。特集では冒頭で「『現代の身分差別』。識者がそう言い切る人たちがいる。大企業の子会社で働く人たち、『子会社族』のことだ」と切り出している。

例えば、三菱UFJフィナンシャル・グループの子会社である三菱東京UFJ銀行の行員は「大企業の子会社で働く人たち」だが、「子会社族」として「現代の身分差別」と言えるような親会社社員との格差を感じているだろうか。

同グループではグループ会社が個別に採用をしているようだ。三菱東京UFJ銀行に採用された行員が、特集で取り上げたような「子会社族」として悲哀を感じているとは思えない。今回の特集のように、「大企業の子会社で働く人たち」を「子会社族」と一括りにしてしまうと、三菱東京UFJ銀行の行員までそこに入ってしまう。

この特集には他にも色々と問題がある。ここでは、間違いと思える図を取り上げておこう。ダイヤモンド編集部に問い合わせを送ったので、その内容を見てほしい。


【ダイヤモンドへの問い合わせ】

2月11日号の特集「子会社『族』のリアル」に出てくる66ページの図についてお尋ねします。図の中では「ジェイフォン」から「ソフトバンク」にオレンジ色の矢印が出ており、その矢印の意味は「合併・売却」となっています。

ここから判断すると、ジェイフォンはソフトバンクに売却されたか、ソフトバンクと合併したかのどちらかです。しかし、いずれも実現していないのではありませんか。ジェイフォンは英ボーダフォンの傘下に入って、日本でもボーダフォンとなりました。ソフトバンクは2006年にボーダフォンの日本法人を買収していますが、ジェイフォンを買ったわけではありません。

図の表記は誤りだと考えてよいのでしょうか。正しいとすれば、その根拠も併せて教えてください。御誌では、読者からの間違い指摘を無視する対応が常態化しています。日本を代表する経済メディアとして責任ある行動を心がけてください。

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※ダイヤモンドの体質を考慮すると、回答はないだろう。今回の特集については、以下の投稿も参照してほしい。

週刊ダイヤモンド特集「子会社族のリアル」に感じる矛盾
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2017/02/blog-post_6.html

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