2020年6月24日水曜日

TLTRO3の優遇金利は「マイナス0.1%」? 東洋経済オンラインに問い合わせ

東洋経済オンラインの「ECBは政策金利のマイナス幅を実質的に拡大~真のバズーカは銀行がお金をもらえるTLTRO3」という記事に誤りと思える説明があった。誤りだとしてもそれ自体を責めるつもりはないが、回答と修正はしっかりしてほしい。そこを怠ってしまうが東洋経済のダメなところだ。
岡城跡の滝廉太郎像(大分県竹田市)
    ※写真と本文は無関係です


【東洋経済オンラインへの問い合わせ】

東洋経済オンライン 担当者様

みずほ銀行チーフマーケット・エコノミストの唐鎌大輔氏が書いた「ECBは政策金利のマイナス幅を実質的に拡大~真のバズーカは銀行がお金をもらえるTLTRO3」という6月24日付の記事についてお尋ねします。問題としたいのは以下のくだりです。

TLTRO3の利用条件は破格だ。ドラギ元ECB総裁時代に導入された枠組みだが、この利用条件は徐々に緩和されてきた経緯があり、2020年4月30日の政策理事会で基準金利が『主要リファイナンスオペ金利(現状ゼロ%)+マイナス0.5%ポイント』に設定され、貸し出し基準を達成した場合は最大で『預金ファシリティ金利(当時はマイナス0.50%)+マイナス0.5%ポイント』の優遇金利が適用されるという制度設計になった。すなわち、貸し出し実績を積まなくてもお金を借りれば0.5%の金利が金融機関の懐に入る。貸し出し基準を達成すれば0.1%の金利がもらえる。こうした『必ずお金がもらえる仕組み』は実質的には政策金利と同じくらいの存在感を放っているようにも思える

貸し出し基準を達成した場合は最大で『預金ファシリティ金利(当時はマイナス0.50%)+マイナス0.5%ポイント』の優遇金利が適用される」との記述が正しければ「貸し出し基準を達成すれば1%(0.5%+0.5%)の金利がもらえる」はずです。しかし記事では「貸し出し基準を達成すれば0.1%の金利がもらえる」と説明しています。

貸し出し実績を積まなくてもお金を借りれば0.5%の金利が金融機関の懐に入る」のに、「貸し出し基準を達成すれば」もらえる「金利」が5分の1に減額されるのも、おかしな話です。「0.1%の金利がもらえる」という説明は「1%の金利がもらえる」の誤りではありませんか。問題なしとの判断であれば、その根拠も併せて教えてください。

東洋経済では読者からの間違い指摘を無視してミスを放置する対応が常態化しています。ライバルのダイヤモンドが真摯な対応を続けているのとは対照的です。日本を代表する経済メディアとして責任ある行動を心掛けてください。


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※今回取り上げた記事「ECBは政策金利のマイナス幅を実質的に拡大~真のバズーカは銀行がお金をもらえるTLTRO3
https://toyokeizai.net/articles/-/358515


※記事の評価はD(問題あり)。ただ、全体としては興味深く読めた。ミスと思える部分以外には問題を感じなかった。

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