2020年5月19日火曜日

「長期・分散」には積み立て投資が有用と週刊ダイヤモンドは言うが…

投資手法としてドルコスト平均法(定額積み立て)は不利でもないが有利でもないと見ている。細かく言えば、わずかに不利か。しかし、この投資手法を薦める記事は後を絶たない。週刊ダイヤモンド5月23日号に載った「コロナ相場に負けない 新・賢者の資産運用術~非課税制度を最大限に生かしたい 長期・分散・積み立て投資で『じぶん年金』づくりへ!」という記事もその1つだ。
田主丸グリーンセンター(福岡県久留米市)
         ※写真と本文は無関係です

一部を見ていく。

【ダイヤモンドの記事】

三つ目のポイントとなるのが、分散投資を長期的に行っていく際、毎月定額で買い付ける「積み立て」の方法が適していることだ。これこそが、コロナ相場の難局を乗り切る上で重要なポイントでもある。

下図は、日本つみたて投資協会の太田創代表理事が、自らの口座で行う投資信託の積み立て投資の状況を示したものだ。

これを見ると分かりやすいように、積み立て投資では同じ金額で買い続けるため、相場が上がったときは購入口数が少なくなる一方、下がったときは多めに買える。

1年程度では相場のぶれも大きいが、5年や10年単位の長期で国際分散投資をすれば、最終的には相場が上向き、運用益の実現が期待できる。よって短期的な相場下落は、むしろ購入口数を増やせるチャンスと捉えられるのだ。

年3%という運用収益率が実現できた場合、30代で毎月4万円、40代で毎月5万円、50代で毎月6万円ずつ積み立て投資を行うと、60歳の時点で2800万円もの資産を築くことができる。


◎長期・分散を目指すならば…

1年程度では相場のぶれも大きいが、5年や10年単位の長期」であれば報われるとしよう。この場合、投資に充てられる全額をすぐに投じる方が合理的だ。「毎月定額で買い付ける『積み立て』」だと、一部の資金は「短期」投資になってしまう。

投資に充てるべき金額を1000万円と考えていて、手元に100万円の余裕資金があるならば、まず100万円を投じる。その後は資金が手元に入ってきたのと同時に「同じ金額」などにはこだわらず「買い付ける」べきだ。

分散」についても「毎月定額で買い付ける『積み立て』」は好ましくない。例えば、先進国株に投資する投資信託を「毎月定額で買い付ける」としよう。そうすると投資対象は先進国株に偏ってしまう。

投信を3つ、4つと増やして、それぞれを「毎月定額で買い付ける」ようにすれば「分散」の度合いは高まる。しかし、それは「積み立て」がもたらしたものではない。

一括投資でも同様の「分散」はできる。「積み立て」の方が「分散」させやすいという訳でもない。

積み立て」だと高値づかみのリスクは確かに減らせる。一方で、安値で一気に買う機会は放棄している。「投資のタイミングに関して後悔しにくい手法」だとは思う。大きなデメリットもない。だから、やりたい人がいれば止めはしない。

しかし「分散投資を長期的に行っていく際、毎月定額で買い付ける『積み立て』の方法が適している」「これこそが、コロナ相場の難局を乗り切る上で重要なポイントでもある」と言われると「違うのでは?」と返したくなる。



※今回取り上げた記事「コロナ相場に負けない 新・賢者の資産運用術~非課税制度を最大限に生かしたい 長期・分散・積み立て投資で『じぶん年金』づくりへ!
http://dw.diamond.ne.jp/articles/-/29413


※記事の評価はC(平均的)

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