2020年5月18日月曜日

日経「対話アプリ通じ中国へ越境EC クロスシーが支援」は要らないベタ記事

これからの新聞に基本的にベタ記事は要らないと考えている。しっかり書き込むか全く触れないか。その二者択一でいい。18日の日本経済新聞朝刊企業面に載った「対話アプリ通じ中国へ越境EC クロスシーが支援」というベタ記事は典型的な「要らない記事」だ。
浮羽稲荷神社(福岡県うきは市)※写真と本文は無関係

全文は以下の通り。

【日経の記事】

中華圏向けマーケティング会社のクロスシー(東京・台東)は、日本企業向けに越境電子商取引(EC)を支援する新サービスを始める。中国IT(情報技術)大手、騰訊控股(テンセント)の対話アプリを活用。日本企業が費用や手間を抑えて出品できるようにする。訪日外国人(インバウンド)が急減する中、ネット経由で日本の商品を中国の消費者に手軽に販売できるようにする。


◎これだけでは…

まず「新サービスを始める」時期が不明。日経の企業関連記事にありがちな欠陥で、基礎的な技術を身に付けていない記者が書いていると推測できる。

クロスシー」の件を記事にするならば、伝えるべきだと思える点がいくつもある。列挙してみよう。

(1)新規性は?

クロスシー」の「新サービス」は何が新しいのか。「日本企業向けに越境電子商取引(EC)を支援する」のは「クロスシー」が初めてなのか。ありふれた「サービス」だとすれば「騰訊控股(テンセント)の対話アプリを活用」するのが画期的なのか。記事からは全く判断できない。


(2)「費用や手間を抑え」られる理由は?

クロスシー」の「新サービス」を利用すると「費用や手間を抑えて出品できるように」なるらしい。だが、どういう仕組みなのか謎だ。「騰訊控股(テンセント)の対話アプリ」が関係していそうな感じもあるが、何とも言えない。


(3)どの程度「抑え」られる?

費用や手間を抑えて出品できるようにする」らしいが、どの程度「抑え」られるのか触れていない。ここは重要だ。


(4)他にも入れたいことが…

新サービス」ではどういう形で顧客からカネを取るのか。「クロスシー」は「新サービス」でどの程度の売り上げを見込んでいるのか。こうした情報もあった方がいい。

「ベタ記事にそんなに色々盛り込めるわけないだろ」と記者は反論したくなるかもしれない。確かに入るはずがない。そこで最初の話に戻る。しっかり書き込むかゼロかでいい。

今回のようなベタ記事は紙面には要らない。やはり、これが結論だ。


※今回取り上げた記事「対話アプリ通じ中国へ越境EC クロスシーが支援
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20200518&ng=DGKKZO59218810X10C20A5TJC000


※記事の評価はD(問題あり)

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