2019年3月31日日曜日

日経 大場俊介氏の拙さ目立つ朝刊1面「新元号」解説

31日の日本経済新聞朝刊1面に大きく出ている「政治・外交…転機の予感 新元号あす公表」という記事は、毒にも薬にもならないような内容だ。それはまだいいとしても、拙い書き方が引っかかった。筆者は大場俊介氏。今回は肩書なしだが、2月には「政治部次長」として記事を書いていた。記者を指導する立場の人物が1面の記事でレベルの低さを見せつけているのが辛い。
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          ※写真と本文は無関係です

問題のくだりを見ていこう。

【日経の記事】

安倍首相は今回、前例踏襲を決めていた新元号公表の手続きに少し手を加えた。菅義偉官房長官が記者会見で墨書した新元号を掲げて説明した後、自身も正午ごろから会見を開き談話を読み上げることにした。元号に込めた意味や国民へのメッセージを自ら語るのは、首相として転機を背負う覚悟の表れともとれる。


◎「菅義偉官房長官が記者会見で墨書」?

上記の説明だと、どこに「手を加えた」のかはっきりしない。事情が分かっている読者も多いとは思うが「だからこの説明で良い」とは言えない。

菅義偉官房長官が記者会見で墨書した新元号を掲げて説明した」と書くと「『菅義偉官房長官が記者会見で墨書した新元号を掲げて(安倍首相が)説明」とも解釈できる。

日経は別の記事で「閣議決定後、菅氏が記者会見で新元号を公表し、出典も明かす。平成改元と同様、墨書した新元号を額に入れ、掲げながら説明する見通しだ」と書いていた。この辺りから判断すると「菅義偉官房長官が墨書」でも「記者会見で墨書」でもないのだろう。

改善例を示してみる。

<改善例>

安倍首相は今回、前例踏襲を決めていた新元号公表の手続きに少し手を加えた。墨書した新元号を掲げて菅義偉官房長官が記者会見で説明するだけで終わらず、首相自身も正午ごろから会見を開き談話を読み上げることにした。

◇   ◇   ◇

ついでにもう1つ述べておきたい。記事には「合計特殊出生率が丙午(ひのえうま)の1966年を下回る1.57まで下がり、日本が抱える最大の問題である人口減少の予兆が出たのも平成元年だった」との記述がある。

主観的な問題なのでどちらが正しいとは言えないが、「日本が抱える最大の問題」が「人口減少」だとは思えない。個人的には「人口減少」を歓迎している。容認派ではなく、極端に言えば推進派だ。

人類の存続にとって環境問題は大きなテーマだと感じている。「22世紀の人類が持続可能な環境を得るためには、21世紀中の人口を増やすべきか」と問われれば、「なるべく増やすべきではない」と答えたい。なので、日本に限っても人口は増えるより減った方がいい。

日本の人口は1000万人もいれば十分だ。「2億人と100万人はどっちがいいか」と聞かれたら「100万人」と答える。本州以外にはほとんど人が住んでいないといった未来も悪くない。その方が持続可能性が高そうだ。

例えば「日本の人口が2億、3億へと増えていく」という状況になった時には、破滅的な結末が待っていそうな気がする。人々の選択の結果として緩やかに人口が減っていくのならば、放置しておいてほしい。


※今回取り上げた記事「政治・外交…転機の予感 新元号あす公表
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20190331&ng=DGKKZO43150910Q9A330C1MM8000


※記事の評価はD(問題あり)。大場俊介氏への評価はDを維持する。大場氏に関しては以下の投稿も参照してほしい。

行数埋めただけの 日経 大場俊介次長「風見鶏~清和会がつなぐ人口問題」
http://kagehidehiko.blogspot.com/2018/05/blog-post_13.html

「訴えたいことがない」のが辛い日経 大場俊介政治部次長
https://kagehidehiko.blogspot.com/2018/09/blog-post_9.html

「総総分離論」でも自説なしの日経 大場俊介政治部次長
https://kagehidehiko.blogspot.com/2019/02/blog-post_24.html

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