田島神社(佐賀県唐津市)※写真と本文は無関係 |
まずは「サブスク」ではない事業を「サブスク」に分類した問題を取り上げたい。担当者らには以下の内容で問い合わせを送った。
【ダイヤモンドへの問い合わせ】
週刊ダイヤモンド編集部
山口圭介様 浅島亮子様 片田江康男様 鈴木洋子様 松本裕樹様 山本輝様
2月2日号の特集「トヨタ・パナ・ソニーも参戦~サブスク革命 定額課金の衝撃」についてお尋ねします。特集では「サブスクリプション」を「単なる定額課金と捉えられがちだが、顧客に合った商品やサービスを、定額で提供するモデル」と定義しています。そして特集の中の「定額制アパレル四つの成功法則~撤退続出のファッション サブスク覇権争いの内幕」という記事には以下の記述があります。
「サブスクに関心を寄せるのは大手メーカーだけではない。ゾゾタウンが18年2月に始めたのが『おまかせ定期便』。専門スタッフがユーザーの好みに合った商品5~10点を選んでコーディネートし、定期的に送るサービスだ。ユーザーは気に入ったものだけを購入し、残りは手数料無料で返品する。スタイリングなど新たな価値を提供する点ではエアークローゼットなどレンタル型サブスクと似ているが、ゾゾはあくまで商品の販売で稼ぐモデルだ」
「おまかせ定期便」には「サブスク」の要素が見当たりません。これは「顧客に合った商品やサービスを、定額で提供するモデル」ではなく、顧客が気に入った商品をそれぞれに設定された価格で購入する仕組みです。「ゾゾタウン」もホームページで「購入した商品の代金のみクレジットカードからお支払いいただきます」と説明しています。これでは「定額」になりようがありません。
「おまかせ定期便」を「サブスク」として紹介したのは誤りではありませんか。問題なしとの判断であれば、その根拠も併せて教えてください。御誌では、読者からの間違い指摘を無視する対応が常態化しています。日本を代表する経済メディアとして適切な行動を心掛けてください。
せっかくの機会なので、当該記事に関して他に気になった点を記しておきます。まずは以下のくだりに関してです。
「カジュアル衣料大手のストライプインターナショナルは2015年9月、定額レンタルの『メチャカリ』を開始。有料会員数は年率150%で成長しており、すでに1万2000人(18年11月末時点)。「次は20万人が目標」(澤田昌紀・グローバルファッションEC本部メチャカリ部長)という。さらに18年にはAOKIホールディングス、レナウンなども自社スーツを定額レンタルする事業に乗り出した。『会員数は5年で1万人を目標にしていたが、商品供給が追い付かないほど好調。前倒しで達成するペース』(東村昌泰・レナウン企画商品部長)という。ストライプもレナウンも共に社長の発案で始まったプロジェクト。それ故、社内の既存事業部門の反発を押さえて、サブスク事業に注力できた」
記事に付けた「アパレルサブスク 四つの成功法則」の1つは「リアル店舗など『レガシー』のしがらみがない」です。しかし「ストライプインターナショナル」や「レナウン」は「リアル店舗など『レガシー』のしがらみ」が「ある」のに「成功」しているのではありませんか。
さらに記事では「スタートアップでも撤退企業が続々と出てきている。特に男性向けで目立っており、すでにフレッシュネック、サンドリヨンオム、CONCINENTAL、ビモールなどがサービスを中止している」とも書いています。こうした「スタートアップ」は「『レガシー』のしがらみがない」のに「撤退」に追い込まれているはずです。
「リアル店舗など『レガシー』のしがらみがない」という「成功法則」は必要条件としても十分条件としても成立していないと思えます。
「成功法則」で言えば「商品自体の販売を目的としていない」も苦しいでしょう。この「成功法則」が成り立つならば「ゾゾタウン」の「おまかせ定期便」はダメな「サブスク」の典型です。しかし、そうは書いていません。記事には以下の記述もあります。
「さらに気になるのがアマゾンジャパンの動き。同社では18年10月からプライム会員向けに、試着したい商品を自宅にまとめて届ける『プライム・ワードローブ』を始めたのだ。『アマゾン経済圏』での会員の行動履歴などを基に、商品提案することも可能だろう」
記事に付けた表で「プライム・ワードローブ」は「おまかせ定期便」とともに「購入型サブスクサービス」に分類されています(「おまかせ定期便」と同様に「プライム・ワードローブ」も「サブスク」ではないと思えますが、ここでは論じません)。だとすれば、当然にダメな「サブスク」です。しかし記事では前向きに取り上げています。
「定額制アパレル四つの成功法則」と見出しでも打ち出していますが、少なくとも2つは「成功法則」とは呼べないと感じました。
問い合わせは以上です。回答をお願いします。
◇ ◇ ◇
追記)結局、回答はなかった。
※今回取り上げた特集「トヨタ・パナ・ソニーも参戦~サブスク革命 定額課金の衝撃」
http://dw.diamond.ne.jp/articles/-/25720
※特集全体の評価はD(問題あり)。担当者らの評価は以下の通りとする(敬称略)。
山口圭介(Fを維持)
浅島亮子(Dを維持)
片田江康男(Dを維持)
鈴木洋子(Dを維持)
松本裕樹(暫定C→暫定D)
山本輝(Dを維持)
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