杵築城(大分県杵築市)※写真と本文は無関係です |
記事の全文は以下の通り。
【日経の記事】
【パリ=篠崎健太】仏ルノーが新経営体制を発表したことを受け、仏メディアは連合を組む日産自動車、三菱自動車との関係改善に期待を示している。
仏紙フィガロ電子版はゴーン被告の辞任を了承した3時間余りの取締役会を経て、ルノーと日産の対立関係が「2018年11月の逮捕以来初めて1段階和らいだ」と伝えた。両社のトップとして君臨してきたゴーン被告の退任が緊張緩和につながるとの見方を示した。
AFP通信は、スナール氏が記者会見で3社連合は「絶対に重要だ」と述べたことを取り上げ、指名後の最初の仕事は「投資家を安心させることだった」と伝えた。
◎本当に「期待」を示した?
「仏メディアは連合を組む日産自動車、三菱自動車との関係改善に期待を示している」と篠崎健太記者は断言している。しかし「仏紙フィガロ電子版」は「ゴーン被告の退任が緊張緩和につながるとの見方を示した」だけで「関係改善に期待を示している」と取れる引用は出てこない。「AFP通信」も似たようなものだ。
本当に「仏メディア」が「関係改善に期待を示している」のであれば、「期待を示している」部分をきちんと引用すべきだ。今回のような書き方をすると、そんな「期待」は示していないのではと疑いたくなる。
紙の新聞に収まらなかった部分に「期待」が入っていたのかと思って、電子版の記事も見てみた。収まらなかった部分は以下のようになっている。
【日経の記事(電子版)】
AFP通信は、スナール氏が記者会見で3社連合は「絶対に重要だ」と述べたことを取り上げ、指名後の最初の仕事は「投資家を安心させることだった」と伝えた。フランスのテレビは新体制を「歓迎する」と述べた、同日の日産の西川広人社長兼CEOの記者会見の様子を繰り返し流した。
だが仏政府がルノーと日産を経営統合させたい意向を示したと先に伝わるなか、関係の再構築がすんなりと進む保証はない。AFP通信は3社連合について「ゴーン被告に代わるトップに誰が就くのかはっきりしないままだ」とし、先行きは不透明だと指摘した。
24日のパリ株式市場でルノー株は続伸し、終値は前日比0.89ユーロ(1.6%)高い58.30ユーロだった。一時は58.56ユーロと、18年12月6日以来約1カ月半ぶりの高値水準を付けた。
◎やはり見えない「期待」
上記のくだりにも「仏メディアは連合を組む日産自動車、三菱自動車との関係改善に期待を示している」と判断できる引用は出てこない。肝心な情報が抜けたままなのに、最後の段落では「ルノー株」の値動きまで紹介している。
篠崎記者には「まともに記事を書く気があるのか」と問いたい。
※今回取り上げた記事
「仏メディア、3社関係改善を期待」
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20190126&ng=DGKKZO40507770V20C19A1EA6000
「仏メディア『日産との関係改善期待』ルノー新体制 ゴーン退場」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO40451280V20C19A1FF8000/
※記事の評価はD(問題あり)。篠崎健太記者への評価も暫定でDとする。
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