平和公園(長崎市)※写真と本文は無関係です |
日経には以下の内容で問い合わせを送った。
【日経への問い合わせ】
日本経済新聞社 論説委員長 原田亮介様
1日の朝刊オピニオン面に載った「核心~メガは哺乳類になれるか」という記事についてお尋ねします。まずは以下のくだりに関してです。
「平成の金融史は不良債権との格闘で始まった。銀行は合併で危機を乗り切ったが、直面したのは巨大なコンピューターシステムの統合だった。安全性とコストカットの両立は簡単ではなく、デジタル化の大波は恐竜のようなシステムの刷新を迫る。銀行は環境変化に適応する『哺乳類』に進化できるだろうか」
平成の最初の年である1989年に日経平均株価は最高値を付けました。地価が下がり始めたのは91年以降と言われているので、89年や90年には「不良債権との格闘」は始まっていないと考えるのが自然です。
「平成の金融史は不良債権との格闘で始まった」との記述は誤りと考えてよいのでしょうか。問題なしとの判断であれば、その根拠も併せて教えてください。
「恐竜のようなシステムの刷新を迫る。銀行は環境変化に適応する『哺乳類」に進化できるだろうか」という説明も問題なしとしません。記事の最後には「『恐竜から哺乳類』への進化は簡単ではない。だが、それができないと銀行の将来像はみえてこない」とも書いています。
過去に「恐竜から哺乳類」への進化があったと思わせるような記述です。言うまでもありませんが、「恐竜から哺乳類」への進化は起きていません。「あくまで例えだ」と言うのであれば、「実際の進化の歴史とは異なるが…」などと読者に示すべきです。
鳥類は「恐竜から」進化したとの説が有力らしいので、「恐竜から」の進化を例えに使うのならば「銀行は環境変化に適応する『鳥類』に進化できるだろうか」とした方が適切な気もします。
記事には、意味不明だと思える記述もありました。以下のくだりです。
「米国では給与や家賃などの支払いの多くが小切手だ。すべての取引をオンライン処理する社会的要請がないから、市中のATMは残高の即時照会をしないかわりに1日20ドル程度しか現金を下ろせない」
「市中のATMは残高の即時照会をしないかわりに1日20ドル程度しか現金を下ろせない」をどう解釈すべきか分かりませんでした。ATMが「残高の即時照会」をしてくれないのは利用者にとってのマイナス要素です。「1日20ドル程度しか現金を下ろせない」のもやはりマイナス要素です。それを「かわりに」でつないでいます。
「給料が安いかわりに仕事がきつい」「三振が多いかわりにホームランが少ない」といった文と似た問題を感じませんか。問題なしとの判断であれば、どう解釈すればよいのか教えてください。
「市中のATMは利用者の預金残高を確認しないかわりに1日20ドル程度しか現金を下ろせない」との趣旨かとも考えましたが、解釈に飛躍がある気がします。
問い合わせは以上です。お忙しいところ恐縮ですが、回答をお願いします。御紙では、読者からの間違い指摘を無視する対応が常態化しています。「世界トップレベルのクオリティーを持つメディア」であろうとする新聞社として、責任ある行動を心掛けてください。
◇ ◇ ◇
追記)結局、回答はなかった。
※今回取り上げた記事「核心~メガは哺乳類になれるか」
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20181001&ng=DGKKZO35885640Y8A920C1TCR000
※記事の評価はD(問題あり)。原田亮介論説委員長への評価はDを維持する。原田論説委員長に関しては以下の投稿も参照してほしい。
「2%達成前に緩和見直すべき?」自論見えぬ日経 原田亮介論説委員長
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2017/09/blog-post_77.html
財政再建へ具体論語らぬ日経 原田亮介論説委員長「核心」
http://kagehidehiko.blogspot.com/2018/05/blog-post_33.html
日経 原田亮介論説委員長「核心~復活する呪術的経済」の問題点
http://kagehidehiko.blogspot.com/2018/08/blog-post_20.html
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