耳納連山と桜(福岡県久留米市) ※写真と本文は無関係です |
記事の全文は以下の通り。
【日経の記事】
日銀が5日発表した2018年3月の「生活意識に関するアンケート調査」で、1年後の物価が上がると回答した人の割合は73.9%と前回の17年12月(75.6%)から1.7ポイント低下した。足元は生鮮食品の値上がりなどが目立つものの、先行きに対する個人のインフレ期待はなお鈍い。
1年前と比べて現在の物価が上がったとの回答は73.5%と、15年12月(78.8%)以来の高水準だった。生鮮食品やエネルギー価格の上昇が目立っているが、多くの個人は一時的な動きと捉えているようだ。1年後の物価について現在との変化率も聞いたところ、中央値は3.0%で前回と同じだった。調査では、現在の暮らし向きについても尋ねた。1年前に比べて「ゆとりがなくなってきた」との回答は41.4%に上った。
調査は2月8日~3月6日に実施。全国4千人の個人を対象に、2092人から有効回答を得た。
◎どうなれば「インフレ期待は強い」になる?
前回調査から「1.7ポイント低下した」とは言え、「1年後の物価が上がると回答した人の割合は73.9%」に達する。これを「先行きに対する個人のインフレ期待はなお鈍い」と評価するのは適切なのか。予想する物価上昇率も「中央値は3.0%」で日銀の目標である2%を上回っている。
ちなみに、この調査で「1年後の物価が下がる」と回答した人はわずか2.5%だ。個人に関しては「デフレ心理はわずかしか見られず、インフレを見込む傾向が強い」と判断するのが自然だ。
記者の頭の中には「根強いデフレ心理が残り、デフレからの脱却がなかなか進まない」との先入観があるのかもしれない。でなければ、こういう記事の書き方にはならないだろう。
記事を書いた記者には「どういう調査結果になったら、インフレ期待が強いと言えるのか?」と質問してみたい。「1年後の物価が上がると回答した人の割合」が8割になればいいのか。それとも9割なのか。
※今回取り上げた記事「物価1年後『上昇する』 個人の73% 日銀調査」
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20180406&ng=DGKKZO29044920V00C18A4EE8000
※記事の評価はC(平均的)。
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