杖立温泉(熊本県小国町) ※写真と本文は無関係です |
記事の全文は以下の通り。
【日経の記事】
パナソニックは勤務時間を原則、午後8時までに改め、津賀一宏社長が国内の全従業員約10万人に通知した。社長自らが終業時刻を「宣言」することで、長時間労働の是正といった働き方改革の推進をはやめる。
「午後8時まで」を新しい労働指針として掲げ、労働組合と1月31日に合意。2月1日から各職場での徹底を始めた。取締役など幹部も対象とした。現在は部署によって始業・終業時刻は異なるが、1日の労働時間は8時間としている。
働き方改革は企業の経営課題となっており、大和証券グループ本社が午後7時までの退社の励行、ユニ・チャームは午後10時以降の残業原則禁止を導入済みだ。パナソニックは就業関連の改革に積極的で、創業者・松下幸之助氏の意向で1965年に早くも完全週休2日制へ移行している。
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素直に読めば、「これまでバラバラだった終業時刻を8時に統一するんだな」と思ってしまう。ただ、色々と疑問が残る。
◎疑問その1~常識的にあり得る?
「1日の労働時間は8時間」とすると、パナソニックは全社一律で始業時刻が午前11時、終業時刻が午後8時となったのだろう。しかし、常識的には考えにくい。午前11時までは顧客対応もしないということか。工場は一般的に交代制だが、どうしているのか。記事には一応、「原則」という文字は入っている。とは言え、例えば「工場は例外」となる場合、例外の規模が大きすぎて「原則、午後8時まで」とは言えない。
◎疑問その2~「働き方改革」になってる?
「午前11時~午後8時」の勤務になるとして「長時間労働の是正といった働き方改革の推進をはやめる」効果があるだろうか。「午前9時~午後6時」でも「午前11時~午後8時」でも労働時間は同じだ。終業時刻を8時に変更するとどんな効果があるのか、記事では教えてくれない。
パナソニックの取り組みは「午後8時以降の残業を原則として禁止」ではないかとも思った。ただ、記事では「社長自らが終業時刻を『宣言』」と言い切っている。この場合、社長が「宣言」した「終業時刻」は「午後8時」以外にあり得ない。
この記事はパナソニックの取り組みを正確に伝えているのだろうか。間違っていないとしても、説明が足りないのは明らかだ。
※記事の評価はD(問題あり)。
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