2016年6月24日金曜日

イオン、USJ…日経のベタ記事はただの宣伝?

個人的には、日本経済新聞の企業関連面にベタ記事は要らないと思っている。しっかり書き込むか、掲載を見送るかでいい。ベタ記事は原則として20行前後。これでは伝えられる情報が少なすぎる。新聞が報道の主役だった時代ならば「説明が不十分でもいいから、なるべく多くの記事を詰め込む」という考えも理解できる。しかし、今や新聞から情報を得る人が少数派になりつつある。ならば、新聞にしかできない深みのある記事を提供するしかない。そう考えると、ベタ記事の存在意義はなくなりつつある。
キャナルシティ博多でのCharisma.comのサイン会
            ※写真と本文は無関係です

22・23日の朝刊企業・消費面に載った以下の2本のベタ記事は特に「要らない」と思える。イオンやUSJの宣伝の手助けにはなったかもしれないが、こんな記事を載せ続けて読者の支持が得られるとは思えない。それぞれの記事の全文は以下の通り。


【日経の記事(22日)】~お盆の帰省で「おせち」料理を イオンが販売

イオンリテールは21日、お盆時期の帰省需要に向けたオードブル「NATSU O SECHI(なつおせち)」を発売すると発表した。本州と四国の381店で24日から予約を受け付け、8月13~15日に店頭で受け渡す。予約専用商品14品目のほか、当日に店内調理するセット商品も用意し、合計で4万5千個の販売を目指す。価格は税別で2000~1万5800円。

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「なぜこの記事を載せたのか」がよく分からない。「夏におせち」というのが珍しいから載せたのか。だとすれば「他社で同様の商品はあるのか」「イオンが夏におせちを販売するのは初めてなのか」といった情報が不可欠だ。

「記事が足りない」と言われて適当に書いたのか、イオンのご機嫌を取るために紙面を利用しているのか。どちらにしろ、上記の内容ならば、わざわざ記事にする意義は乏しい。

次の記事も問題点は似ている。

【日経の記事(23日)】~USJの新コースター 3カ月で搭乗者100万人

ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ、大阪市)を運営するユー・エス・ジェイは22日、3月に新設したジェットコースター「ザ・フライング・ダイナソー」の搭乗者が3カ月で100万人に達したと発表した。

恐竜映画「ジュラシック・パーク」がテーマのアトラクションで、下向きに寝そべった状態でコースを疾走するスリル感で人気を集めている。

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3カ月で100万人」と言われても多いのか少ないのかよく分からない。文脈から判断して「きっと多いんだろうな」とは思うが…。「3カ月で100万人はすごい」との判断で記事にしたのならば、それが分かるように書くべきだ。当初目標と比較してもいい。例えば「従来のアトラクションでの100万人突破は最短でも10カ月かかっていた」という説明があれば、ニュースの意義がかなり伝わってくる。

そうした意義付けなしに「恐竜映画『ジュラシック・パーク』がテーマのアトラクションで、下向きに寝そべった状態でコースを疾走するスリル感で人気を集めている」と言われると、「USJの手先にでもなって、宣伝の手助けのために記事を書いているのか」と問いたくなる。

日経の記者ならば「そうですよ。当たり前じゃないですか」とあっさり答えそうな気もする。ちょっと怖い。

※記事の評価はいずれもD(問題あり)。

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