東京都庁の展望室(東京都新宿区)からの眺め ※写真と本文は無関係です |
【日経の記事】
買い物や参拝客のシニアでにぎわう東京・巣鴨。取材班は60歳以上の男女50人に「何歳まで働きたいか」尋ねてみた。
「まだ社会とつながっていたい」「孫の小遣いを稼ぎたくて」。平均年齢は73歳。65歳を超えても働きたい人や実際に働いた人は6割に上った。
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上記の「平均年齢は73歳」は「何歳まで働きたいか」という質問に対する回答を平均した結果だろう。しかし、質問対象となる「60歳以上の男女50人」の平均年齢とも解釈できる。迷う余地のない書き方を選ぶべきだ。
◎細かく分けるとカバーできる?
【日経の記事】
「趣味の時間もあり、今が良いペース」。千葉県柏市の特養ホーム「柏こひつじ園」で働く新井裕子(72)は元公務員。カフェ運営と食事補助で週3日、計8時間働く。
同施設では、掃除や洗濯などの業務を細かく分けた。シニア約40人が10班に分かれ、1回2時間の勤務シフトを自分たちで組む。体調が悪いときは誰かがカバーする。時間と体力を補い合い、「シニア4人で正社員1人分」働く仕組みを作った。
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「掃除や洗濯などの業務を細かく分けた」ことと「『シニア4人で正社員1人分』働く仕組み」の関係がよく分からない。「体調が悪いときは誰かがカバーする」のであれば、特定の業務に特化させるやり方は望ましくない。しかし「掃除や洗濯などの業務を細かく分けた」のであれば、各人の業務は細分化されている気がする。これで、どうやって互いにカバーしているのか謎だ。どこか説明に欠けている部分があるのだろう。
それに「シニア4人で正社員1人分」という説明も腑に落ちない。記事に出てくる新井裕子さんは「週3日、計8時間」の労働だ。週40時間の労働力を確保するためには5人の「新井さん」が要る。もちろん各人の労働時間にバラツキはあるだろうが、なぜ「4人」と言い切っているのかはやはり謎だ。
「正社員1人分」という表現もやや引っかかる。非正規でもフルタイムで働いている人はいるのだから、「シニア4人でフルタイム労働者1人分」などの方が好ましい。
記事の後半部分にも説明不足は見られる。それらについては(2)で述べたい。
※(2)へ続く。
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