福岡県朝倉市の三連水車 ※写真と本文は無関係です |
ニューヨーク・ダウ工業株30種平均が、1日で1000ドル余り変動したりするのは尋常ではない。本来なら相場が安くなり過ぎれば買いに回るはずの市場参加者が出てこない。株式だけでなく、あらゆる市場が一方通行になっている。
「NYダウが1日で1000ドル余り変動」というのは8月24日の話だろう。この日は本当に「相場が安くなり過ぎれば買いに回るはずの市場参加者が出てこない」展開だったのだろうか。現状では「あらゆる市場が一方通行になっている」との滝田編集委員の認識は妥当なのだろうか。
8月24日のNYダウの終値は前週末比588ドル安。当日の動きを日経の記事で確認してみる。
【日経の記事(8月25日)】
24日は8%強下げた中国・上海株を筆頭に日欧でも主な株価指数が5%前後の下落となった。米国外の投資家から売り注文が出ると、取引開始直後にダウ平均は急落し下げ幅を1089ドルまで広げた。
その後は押し目買いの好機とみた米国の投資家が主力株に買いを入れると下げ幅を縮小。一時は13%安まで下げたアップル株も上げに転じる場面があった。ダウ平均は下げ幅を100ドル程度まで縮めた。
だが、景気指標など新規の買い材料には乏しく買いが一巡すると午後には再び売りが優勢となった。
この記事が正しければ下げ幅が1000ドルを超えた辺りで「押し目買いの好機とみた米国の投資家が主力株に買いを入れる」展開となっている。滝田編集委員の見方とは異なり、買いが優勢になる場面もあったようだ。さらに「再び売りが優勢となった」のだから、1営業日の間に「売り優勢」→「買い優勢」→「売り優勢」と状況は変化している。これだけでも「あらゆる市場が一方通行になっている」との見方が誤りだと分かる。
しかも、NYダウの直近までの動向を見ると、8月24日以降はおおむね戻り歩調だ。滝田編集委員がせめてNYダウの過去3カ月分のチャートだけでもチェックしていれば「あらゆる市場が一方通行になっている」と書くことはなかっただろう。
別にNYダウでなくてもいい。日経平均株価でもNY原油でも、相場がそれほど「一方通行」になっていないのはすぐに気付ける。様々な相場の動きを見た上で「あらゆる市場が一方通行になっている」と滝田編集委員が感じたのならば、二度と市場関連記事を書くべきではない。間違いなく適性が欠けている。
※記事の評価はD(問題あり)。滝田洋一編集委員の評価はE(大いに問題あり)を維持する。
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