ルクセンブルク旧市街 ※写真と本文は無関係です |
27日の「収益性高い都市型店続々 賃料上昇に対応 ~フレッシュネス、高単価レストラン 栄光HD、英会話と教室併用」 という記事では、フレッシュネス、 ABCマート、栄光ホールディングスの3社を「都市部のビルなどの賃料上昇を受け、収入増を狙った新型店を相次いで設けている」例として取り上げている。しかし、ピッタリはまっているのはフレッシュネスだけだ。
推測するに、フレッシュネスの話がまずあって、似たような事例を集めれば「まとめ物」でアタマ記事にできると考えたのだろう。しかし、良い事例が見当たらず、強引にABCマートと栄光HDを引っ張り出したのではないか。なぜそう言えるのか。まずは栄光HDから見ていこう。
【日経の記事】
栄光ホールディングスは2010年に買収した「シェーン英会話」について、学習塾の「栄光ゼミナール」と同じ物件に出店したり、統合したりしている。204ある英会話教室のうち46教室が学習塾と施設を併用するようになった。
時間帯や利用実態にあわせて双方のサービスを柔軟に提供することで施設の面積あたりの収益力が高まる。物件が確保しやすくなるため出店ペースを上げることができるという。
記事の最初の段落には「学習塾の栄光ホールディングス(東京・千代田)は、同じ教室で塾と英会話教室を開く『二毛作』型の施設を増やす」と書いている。しかし、上記のくだりからは「増やす」かどうかは不明だ。分かるのは「204ある英会話教室のうち46教室が学習塾と施設を併用するようになった」ということぐらいだ。
しかも「併用」をいつから進めているのかも触れていない。2010年の買収直後から進めている施策であれば、今回の記事の趣旨には合わないだろう。「いつから進めているのか」に触れず、「今後」にも言及しないところを見ると、強引にはめ込んだ事例との疑いが濃厚だ。
もう1つのABCマートも、栄光HDほどではないが事例としてピッタリとは思えない。
【日経の記事】
靴専門店のエービーシー・マート(ABCマート)も価格帯が高めの店を増やす。9月18日に高級感のある内装と丁寧な接客に力を入れた「エースシューズ」を福岡市内の繁華街にあるファッションビルに開いた。東京都内と横浜市内に続き3店目になる。
中心の価格帯は8000~1万5000円と主力の「ABCマート」に比べ3割ほど高い。店の広さも80~130平方メートルと小型に抑えて百貨店や駅前の商業ビルなど賃料が高いエリアでも出店しやすくした。
これは都市部の賃料が上がったことに対応した業態開発なのだろうか。「違う」と断定はできないが、普通に考えれば、これまで店を出していなかった百貨店などに対応するための新業態だと思える。「賃料上昇への対応策」とは明言していないところに事例としての微妙さを感じる。
※記事の評価はD(問題あり)。今後は強引な「まとめ物」が減るよう祈りたい。
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