2015年9月20日日曜日

日経 秋田浩之編集委員 「違憲ではない」の苦しい説明

安全保障関連法の成立を受けて日経の朝刊1面に秋田浩之編集委員が「抑止と外交の両輪で」という解説記事を書いていた。安保関連法を支持する立場から、違憲批判にどう答えるか注目して読んでみた。この問題に言及した点は評価したい。しかし、「違憲ではない」とする秋田編集委員の論理は非常に苦しかった。


スヘフェニンヘン(オランダ)の日本料理店 ※写真と本文は無関係です
【日経の記事】

この法律は違憲との批判もある。ただ憲法解釈は戦後、変わってきた。かつては自衛隊も違憲とみる向きが多かった。今回も許容範囲内とみるべきだろう


「解釈は過去にも変わってきた。だから、今回も許容範囲内とみるべきだ」という説明に納得できるだろうか。この論理だと、過去に解釈を変えた経緯がある条文については、自由に解釈を変えられることになる。

例えば憲法に「子供の権利」を保障した条文があり、子供の対象年齢は明示されていないとしよう。そして、一度だけ「子供」の解釈を「18歳未満」から「20歳未満」に変更したとする。その場合、「子供」の解釈をさらに「50歳未満」に変えても「今回も許容範囲内とみるべき」なのか。明らかにおかしいと気付くはずだ。

結局、「違憲ではない」と主張するためには「その解釈は妥当なのか」と中身を論じるしかない。そこから逃げて「過去にも変わってきたんだから…」と言っても何の説得力もない。


※記事の評価はC(平均的)。秋田浩之編集委員の評価もCとする。

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