「最近、東洋経済もダイヤモンドも果敢にリスクを取る姿勢が見えない無難な特集が多い」と嘆いていたところ、久しぶりに評価に値する特集が出てきた。東洋経済9月26日号の第2特集「
公明党、創価学会よ どこへ行く 総力28ページ大特集」は、編集部が相当なリスクを承知の上で作り上げたものだと実感できた。読み物としての完成度も高い。
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アムステルダム(オランダ)のダム広場に建つ新教会 ※写真と本文は無関係です |
特に88~91ページの「
スクープ 特高警察との知られざる蜜月時代 極秘資料が物語る『戦時』創価学会の真実」は引き受けているリスクが特集の中で最も高そうだと思えた。記事では「(創価学会初代会長の)
牧口獄死を都合よくシンボリックに掲げ『平和』を前面に打ち出すイメージ戦略」の怪しさを史料と照らし合わせながら描き出している。1942年頃の創価学会については「
当局からにらまれていたものの、当時、学会が反戦平和を強く主張していた事実はない。むしろ史料からは逆の実相が見て取れる」と言い切っている。
この記事には「
ジャーナリスト 高橋篤史」と署名が入っていた。学会側からの反発も予想される中で、個人名を出してこれだけの記事を書き上げたことに敬意を表したい。
特集全体を通しても注文はほとんどない。強いて挙げると、76、77ページの「
都議会では与党歴40年 少数派ながら強い影響力」という記事の「
少数派」はやや気になった。与党ならば基本的に議会では「多数派」のはずだ。しかも公明党は都議会で第2党らしい。与党の一角を占める第2党でも「少数派」なのだろうか。「過半数を取らない限りは少数派」と言えなくもないが…。
※特集への評価はB(優れている)。筆者については、高橋篤史氏を暫定でA(特に優れている)としたい。
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