ユトレヒト(オランダ)のドム塔 ※写真と本文は無関係です |
2010年と1980年の間には平成の大合併があった。そこで町や村の多くが消えて市になっている。つまり、この間に人々の居住実態が大きく変わらなくても、「都市部に居住する人口の割合」はかなり上昇するはずだ。そこに触れずに「都市にますます密集」と断定されても納得できない。
そもそも「市に住んでいる=都市部に居住」という前提が日本で成り立つだろうか。今や市にも当たり前に過疎地がある時代だ。記事では「国連の予測では、日本は2050年にシンガポールや香港に続く、都市集中社会になる見通し」と書いている。しかし、山間部のさびれた集落に住む「市」の住人まで「都市部に居住」へ含めているのに「都市集中社会になる」と論じても、ほとんど意味がないだろう。
日本で三大都市圏に人口が集中する傾向はあるのだから、「都市集中社会」になっているとの見方が間違っているとは言わない。ただ、適切なデータを使わないと、説得力はない。
※記事の評価はD(問題あり)。
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