ソウル新聞東京特派員の金珍児氏が2日付の東洋経済オンラインに書いた「男性に不満を持つ『韓国女性たち』の容赦ない本音~『男vs.女』バトルが激しさを増す韓国のリアル」という記事は興味深い。「兵役」に関して「女性側」が性差別制度を守ろうとする一方、「若い男性ら」が「男女平等」の実現を訴えているらしい。金氏の解説が正しいとの前提で言えば「韓国女性たち」は「男女平等」を嫌っていることになる。
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当該部分を見ていこう。
【東洋経済オンラインの記事】
男性と女性の確執は兵役をめぐる論争にもつながっている。若い男性らは、男女平等と言いたいのであれば女性も兵役の義務を負うべきだと主張する。
韓国では、男性は必ず18カ月間の兵役を課せられる。20代の男性らは、若い盛りに軍への服務があるために女性と付き合えないという犠牲を払っているのだと主張するが、兵役経験は就職の際に経歴として認めてもらえるし、女性の新入社員よりも月給を多くもらえるということもある。
それでも若い男性の不満は小さくない。このため政界の一部ではこうした男性らの支持をあてこんで「女性も軍に服務すべきだ」と主張し、男女間の確執をさらにあおりがちだ。
対する女性側は、こうした一部政治家や若い男性らの主張に不満を爆発させる。女性には出産の苦痛があるうえ、毎月の生理を抱えそれが後を引くというのに、男性は18カ月の苦労だけですむではないか、という主張している。
◎女性優遇が大前提?
「女性側」は「女性には出産の苦痛があるうえ、毎月の生理を抱えそれが後を引くというのに、男性は18カ月の苦労だけですむではないか、という主張している」らしい。
こういう考えがどのぐらい広がっているのか不明だが、とりあえずこれが「韓国女性」の多数派の意見だとしよう。
この「主張」を言い換えると「男女は元々平等ではない。女性が優遇されるべきだ。なので男性のみに兵役が課されるのも正当化される」となる。「男女平等」を否定している。
個人的には「性別に関係なく権利を平等に与えられ義務を平等に負う」という意味での「男女平等」を支持している。韓国は男性のみに「兵役の義務」を課しているので明らかな性差別であり容認できない。
では「女性側」の主張には、どんな問題があるのだろうか。
まず、この主張を認めると差別を際限なく拡大できる。「出産の苦痛があるうえ、毎月の生理を抱えそれが後を引く」という条件がどの程度の男性差別で相殺できるのか基準作りが難しい。「男性は18カ月の苦労だけですむ」と「女性側」は訴えているらしいが、例えば30カ月ならどうか。「女性側」の「出産」「生理」の負担と釣り合うのか。仮に均衡するとして、それはどうやって計測するのか。
さらに言えば「女性側」が持ち出してきた理屈を男性側も使える。平均寿命は韓国でも女性の方が6年長い。
「男性は寿命が短い。女性は平均して6年も長く生きられるのだから18カ月の兵役は女性だけに課すべきだ。兵役分を差し引いても、女性は男性より長く生きられる」
こう訴えられたら「女性側」はどう反論するのか。「男性で長生きする人もいる」と言い出せば「女性で出産しない人もいるし生理の負担が重くない人もいる」と返されてしまうだろう。
どちらかが大変でその分は優遇されるべきとの主張は均衡点を見出すのが難しい。なので結局「男女平等」が分かりやすい。男女ともに「兵役の義務」を負う。徴兵制の継続を前提とすれば最も好ましい解決方法だ。
真の「男女平等」は女性に優しくない。そのことに多くの「韓国女性」は気付いているようだ。
※今回取り上げた記事「男性に不満を持つ『韓国女性たち』の容赦ない本音~『男vs.女』バトルが激しさを増す韓国のリアル」
https://toyokeizai.net/articles/-/511454?page=4
※記事の評価はC(平均的)
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