2021年5月7日金曜日

「3月に進出済み」なのに、そこは触れずに「ニトリ、外食進出」と打ち出す日経の姑息さ

日本経済新聞のニュース記事には「when」が抜けやすいと繰り返し指摘してきた。7日の朝刊総合1面に載った「ニトリ、外食進出~まず低価格ステーキ、家具店に併設でコスト抑制」という記事もその1つだが、少し事情が異なる。記事の冒頭を見てから問題点を指摘したい。

大阪城

【日経の記事】

ニトリホールディングス(HD)は外食事業に参入した。卸を通さずに食材を調達し、店舗では自社の家具や食器を使うなどして運営コストを下げる。将来は家具と同様に生産から販売までの一貫体制を目指す。新型コロナウイルスの感染拡大で外食の事業環境は厳しいが、低コストを武器にすれば参入余地があると判断した。

店舗名は「ニトリダイニング みんなのグリル」。まず東京都足立区と相模原市のニトリの家具・雑貨店に併設する形で低価格ステーキ店を設けた。集客面で家具店との相乗効果に期待するが、外食事業単独で利益を出せる規模への拡大を狙う。


◎「参入した」のが3月なら…

「参入する」という話ならばwhenは必須だ。しかし「参入した」ならばwhenなしでも許せる時もある。ごく最近になって「参入した」場合だ。もちろんwhenはあった方がいいが、これまでも過去形であれば問題視はしてこなかった。

しかし今回は違う。ニトリダイニングのホームページによると「みんなのグリル 環七梅島店」のオープンは3月18日だ。

「3月には参入済みで他社も4月には報じている話を、なぜ今ごろになって総合1面で新しい話のように報じているんだ」と批判するつもりはない。遅さは問題ではない。そのことを隠すような姑息な記事の作り方が問題だ。

遅く取り上げたとしても、「参入」時期を明示した上で、内容に付加価値を付けられていればそれでいい。

妙なプライドは捨てて読者ファーストの記事作りを心掛けてほしい。


※今回取り上げた記事「ニトリ、外食進出~まず低価格ステーキ、家具店に併設でコスト抑制

https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20210507&ng=DGKKZO71622400W1A500C2EA1000


※記事の評価はD(問題あり)

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