2021年4月1日木曜日

「選択的夫婦別姓」の導入後は旧姓使用がNGに? 日経の記事を読んで考えたこと

選択的夫婦別姓」は女性の利益になるというイメージは強いだろう。しかし1日の日本経済新聞朝刊政治面に載った「選択的夫婦別姓実現へ経営者らが有志の会~来月にも政府に提言」という記事を読むと「そうでもないかも」と思えてくる。

両筑橋の架け替え工事現場

全文は以下の通り。

【日経の記事】

企業経営者らが「選択的夫婦別姓の早期実現を求めるビジネスリーダー有志の会」を発足する。改姓によって主に女性のキャリアが分断されることや、旧姓との二重使用が企業のコストを増大させている点などを問題視する

賛同者を集めて共同声明をまとめ、5月にも菅義偉首相や関係閣僚らに提出する計画だ。

選択的夫婦別姓は結婚する際に夫婦が同姓か別姓かを選べるしくみだ。金丸恭文フューチャー会長兼社長や夏野剛ドワンゴ社長、南場智子ディー・エヌ・エー会長ら約20人が呼びかけ人となり、4月中に企業役員など1千人の賛同者を集める。

共同代表の夏野社長は「当たり前のことを当たり前にできないことが日本の生産性の低さにつながっている。身近な問題から変えていきたい」と指摘している。

昨年末に閣議決定した第5次男女共同参画基本計画のパブリックコメントでは400件以上の要望があったが、最終段階で「選択的夫婦別氏」の文言が削られた。

自民党では賛成派と慎重派がそれぞれ議員連盟を立ち上げるなど議論が活発になっている。


◎「旧姓との二重使用」がダメなら…

選択的夫婦別姓の早期実現を求めるビジネスリーダー有志の会」では「旧姓との二重使用が企業のコストを増大させている」と見ているらしい。「増大させている」としても微々たるもののような気はするが、とにかく「問題視」している。それを解消するための「選択的夫婦別姓」導入だ。

有志の会」系の企業では、導入後は当然に「旧姓との二重使用」は認められなくなる。これが一般化した場合でも「選択的夫婦別姓」は女性にとって好ましいことなのか。

「夫の姓に合わせた上で通称としての旧姓使用がベスト」と考える女性も少なくないだろう。しかし、それは「企業のコストを増大させ」るので「姓を変えたくないなら夫婦別姓を選択しろ」という流れになっていく。

「通称としての旧姓使用がベスト」という女性がどの程度いるのかは分からない。その割合次第ではあるが、「選択的夫婦別姓」は必ずしも女性に優しくないとは言えそうだ。

日経でもこの問題をぜひ取り上げてほしい。


※今回取り上げた記事「選択的夫婦別姓実現へ経営者らが有志の会~来月にも政府に提言」https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20210401&ng=DGKKZO70550100R30C21A3PP8000


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