日本経済新聞の丸谷浩史氏によると「小選挙区制が始まって25年間で1度しか政権交代がなかった」らしい。「96年」の「総選挙」が「初めての小選挙区選挙」だったとも書いている。いずれも誤りだと思えるので、以下の内容で問い合わせを送っている。
神戸市 |
【日経への問い合わせ】
日本経済新聞社 ニュース・エディター 丸谷浩史様
14日の朝刊オピニオン面に載った「Deep Insight~なぜできない官邸主導」という記事についてお尋ねします。この中に「小選挙区制が始まって25年間で1度しか政権交代がなかった緊張感の欠如も、無関係ではない」との記述があります。
2009年には民主党政権が誕生し、2012年には自民党と公明党が政権を奪還しています。「小選挙区制が始まって25年間」で2回の「政権交代」があったのではありませんか。「1度」とするならば、2009年か2012年のどちらかは「政権交代」に当たらないことになります。記事の説明に問題なしとの判断であれば、「1度」はいつ起きたのかも併せて教えてください。
次に問題としたいのが以下のくだりです。
「省庁再編は96年、橋本龍太郎首相が『22省庁を4つの機能に再編し、半分程度にすべきではないか』と問題提起して実現した。直後に衆院解散・総選挙を控えていた橋本氏の選挙公約でもあった。これが初めての小選挙区選挙で、橋本氏は自民党総裁として新進党の小沢一郎党首と政権をかけて戦った」
これを信じれば「96年」の「総選挙」が「初めての小選挙区選挙」のはずです。しかし1890年の第1回衆院選は「小選挙区選挙」だったと思えます。日本大百科全書(ニッポニカ)によると「日本では1889年(明治22)と1919年(大正8)の衆議院議員選挙法で小選挙区制を採用したことがある」ようです。
「96年」を「初めての小選挙区選挙」とするのは誤りではありませんか。「初めて」を使いたいのならば「戦後初めての小選挙区選挙」などとすべきでしょう。
以上の2点について回答をお願いします。誤りであれば速やかに訂正記事を掲載してください。御紙では読者からの間違い指摘を無視する対応が常態化しています。日本を代表する経済メディアの一員として責任ある行動を心掛けてください。
付け加えると、最後の段落に出てくる「100年に1度の危機は、さまざまな日本の弱点を明らかにした」との記述も引っかかりました。こう書いてあると「新型コロナウイルス」関連の「危機」は過去100年を振り返って最大の「危機」と理解したくなります。本当にそうでしょうか。
太平洋戦争の悲惨さと比較してもコロナ禍は「100年に1度の危機」ですか。「原爆投下とか食糧難とか色々あった当時と比べても今は『100年に1度の危機』」と丸谷様が感じているのならば、それを間違いだとは言いません。ですが、一般的な認識とはかけ離れているはずです。
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※今回取り上げた記事「Deep Insight~なぜできない官邸主導」
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20210114&ng=DGKKZO68115480T10C21A1TCT000
※記事の評価はD(問題あり)。丸谷浩史氏への評価はDを維持する。丸谷氏に関しては以下の投稿も参照してほしい。
丸谷浩史政治部長の解説に難あり 日経「日本の針路決まる3年」
https://kagehidehiko.blogspot.com/2018/09/blog-post_88.html
日経「Deep Insight」に見える丸谷浩史 政治部長の実力不足https://kagehidehiko.blogspot.com/2019/10/deep-insight_3.html
日経 丸谷浩史氏「Deep Insight~菅首相と『大乱世』」の無理ある解説https://kagehidehiko.blogspot.com/2020/10/deep-insight_13.html
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