三井中央高校(福岡県久留米市)※写真と本文は無関係 |
【日経の記事】
個人向けの代表的な金融商品である投資信託で、日経平均株価、米S&P500種株価指数といった指数に連動する「パッシブ投信」の純資産が2019年に初めて過半になった。老後のための資産形成に動き出した投資家を中心に、運用コストの低い指数型を選ぶ傾向が強まっている。
パッシブ投信は、株式や債券などの指数を構成する銘柄を機械的に買い、値動きをその指数に連動させる。銘柄選別してより高い収益を狙う「アクティブ投信」に比べて手間がかからない分、投資家が負担する「信託報酬」が低いのが特徴だ。
19年は「老後2000万円問題」を契機に投資家の裾野が広がった。長期で安定収益が狙える商品としてパッシブ投信の需要が一段と強まった。
三菱アセット・ブレインズ(東京・港)によると、19年末のパッシブ投信の純資産(確定拠出年金やラップ口座専用は除く)は50兆9500億円と前年末に比べて29%増加。6%増の43兆9500億円だったアクティブ投信を初めて上回った。
パッシブの純資産は過去5年で3倍強になった。この間に約24兆円のETF(上場投資信託)を購入した日銀の影響を除いても7割増だ。
一方、アクティブ投信は10年代半ばまで人気だった毎月分配型の減少が目立つ。超低金利下の運用難で分配金が引き下げられ、解約が相次いだ。
投資家負担の信託報酬は、単純平均で純資産に対して年0.71%のパッシブ投信がアクティブ投信の1.36%を下回る。最近では0.1%前後のものも少なくない。
米国でもパッシブ投信に資金が流入している。米モーニングスターによると、米国株を投資対象とする投信では昨年8月に初めてパッシブが過半となった。米国投信全体では4割にとどまる。
◎日銀がメインでは?
「国内投信、指数型が過半」 となったことをメインに据える場合、その要因としては「この間に約24兆円のETF(上場投資信託)を購入した日銀の影響」を前面に押し出すべきだ。「低コスト志向」の高まりを背景に「『パッシブ投信』の純資産」が増えていると訴えたいのならば「日銀の影響」を除いて「純資産」を見た方がいい。
日銀が「この間に約24兆円のETF(上場投資信託)を購入した」らしいので、含み益も含めて約30兆円が日銀の保有分と仮定しよう。この場合、日銀以外が保有する「『パッシブ投信』の純資産」は20兆円程度にとどまり、「43兆9500億円だったアクティブ投信」を大幅に下回る。
それだと話が盛り上がらないので「日銀の影響」を除かずに「純資産」を見たのだろう。気持ちは分かるが、ご都合主義的な面は否めない。
付け加えると「確定拠出年金やラップ口座専用は除く」としたのも謎だ。「三菱アセット・ブレインズ」の都合なのかもしれないが、「個人向けの代表的な金融商品である投資信託」の動向を分析するならば、「日銀の影響」を除き「確定拠出年金やラップ口座専用」は含めるのが適切ではないか。
※今回取り上げた記事「国内投信、指数型が過半 昨年、低コスト志向で」
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20200114&ng=DGKKZO54339300T10C20A1MM8000
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