第十六利丸(宮城県石巻市)※写真と本文は無関係です |
素人の自分でさえ改革案は出せる。記事の全文を見た上で私案を披露してみたい。
【日経の記事】
パ・リーグを連覇した西武だが、クライマックスシリーズ(CS)でソフトバンクに敗れ、また日本シリーズ進出を逃した。
ふと、連覇に敬意を表する意味で、連続優勝した場合はCS免除としていたならば、と考えた。いわば連覇ボーナス。これだと今年の西武や一昨年の広島、2014年の巨人なども、リーグ連覇を果たしていたために"予選無し"で、日本一を争う舞台に出られていたことになる。
いや、待てよ。2回優勝で、もれなく1回日本シリーズ、ではお菓子のおまけみたいで、ますますシリーズの重みがなくなりかねない。
また、CSを免除されても、片方のリーグでCSが行われている間、待たざるをえないとなると、試合勘が鈍る。現実的にも難点が出てきそうで、改革の妙案はなかなかない。
CSの原型となったパ・リーグのプレーオフが始まったのが2004年。リーグ優勝をかけていたため、劇的な下克上も起こり、04、05年とレギュラーシーズン勝率1位となったソフトバンク(04年はダイエー)は西武、ロッテに敗れ、涙をのんだ。
一方、短期決戦ならではの名勝負も生まれている。06年には肩の不調を顧みず、選手生命をかけて登板し、最後はマウンドに崩れ落ちたソフトバンク・斉藤和巳投手のドラマがあった。
08年、タイロン・ウッズ(中日)が、藤川球児(阪神)との真っ向勝負を制し、決勝本塁打を放った一戦も忘れがたい。
こうした名場面も重なり、プレーオフ、CSは10月の風物詩となったが、その盛り上がりは勝者がメダルを剥奪されるような、制度の持つ酷な一面と表裏をなしていることを忘れてはいけないだろう。
04、05年当時のホークスの王貞治監督からも、今回悲劇の主となった辻発彦監督からも、恨み言は聞かれなかった。「決められたルールに従うのみ」というスポーツマンシップのゆえ、現場から声は出ない。だからといって、全く議論の余地無しかというと、どうだろう。
◎「リーグ優勝をかけていた」から「劇的な下克上」?
まず「リーグ優勝をかけていたため、劇的な下克上も起こり」という説明が引っかかった。例えば2017年のセ・リーグは3位のDeNAが日本シリーズに進出し「劇的な下克上」を起こしているが、「リーグ優勝」はかかっていない。篠山編集委員の解説では、「リーグ優勝」がかかっていない現状だと「劇的な下克上」は起きないと理解したくなる。
本題に戻ろう。
篠山編集委員は「連続優勝した場合はCS免除としていたならば、と考えた」らしいが、「現実的にも難点が出てきそうで、改革の妙案はなかなかない」と自らの案を引っ込めてしまう。別の案もないようだ。随分とあきらめが早い。
個人的には3リーグ制が好ましいと感じる。1リーグ制にして3つのグループに分けてもいい。とにかく12チームを3つに分ける。とりあえず3リーグにしよう。
そして日本シリーズを4チームで戦う。リーグ優勝の3チームと、2位の中の最高勝率のチームだ。優勝チームの中で最高勝率のチームが、2位でシリーズに進出したチームと戦う。あとは残りの優勝チームが対戦。これが準決勝で、勝ち上がった2チームで日本一を争う。
準決勝も決勝も4勝した方が勝ちとなる今の日本シリーズの方式でいいだろう。もちろんCSは廃止となる。
これならば「優勝チームが日本シリーズに出場できないのは酷」「リーグ3位のチームが日本一になるのはどうか」といった問題は解消できるし、CS的なポストシーズンの楽しみも残る。4チームの中の2位でも日本シリーズ進出の可能性があるので、消化試合も少ないはずだ。
レギュラーシーズンに同じ組み合わせが増えて面白くないと言うならば交流戦を増やせばいい。
この方式にも反対意見はあるだろう。だが、問題はそこではない。素人でもこのぐらいの案を出せるのだから、野球担当の記者を長年やってきた篠山編集委員ならば「妙案」をいくつも思い付けるのではないかという話だ。
「全然思い付かない」と言うならば仕方がない。だったら、この問題を論じるのは他の人に任せた方がいい。「妙案はないけど、CSってこのままでいいのかね」程度の話しかできないのならば、よくいる野球好きのおじさんと変わりない。
※「逆風順風~CS改革に妙案は…」
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20191017&ng=DGKKZO51061690W9A011C1UU8000
※記事の評価はD(問題あり)。篠山正幸編集委員への評価はDを維持する。篠山編集委員については以下の投稿も参照してほしい。
日経 篠山正幸編集委員「レジェンドと張り合え」の無策
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2016/06/blog-post_10.html
「入団拒否」の表現 日経はどう対応? 篠山正幸編集委員に問う
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2017/11/blog-post.html
大谷を「かぐや姫」に例える日経 篠山正幸編集委員の拙さ
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2017/11/blog-post_11.html
下手投げは「道なき道」? 日経 篠山正幸編集委員の誤解
https://kagehidehiko.blogspot.com/2018/01/blog-post_50.html
「誰が投げても勝てる野球」の実現を信じた日経 篠山正幸編集委員
https://kagehidehiko.blogspot.com/2019/04/blog-post_18.html
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