旧グラバー住宅(長崎市)※写真と本文は無関係です |
【日経の記事】
伊藤忠商事は10月、東京本社に勤める社員2500人を対象にした車両の乗り合いサービスを導入する。業務提携先で乗り合いシステムを開発する米ヴィア・トランスポーテーションの技術を使う。主に営業などの外回りで活用し、複数人が乗り合わせても最適なルートを自動探索し、目的地に効率良く送り届ける。移動時間を業務に有効活用できるようにする。
社員がスマートフォンの専用アプリで乗降場所を指定すると、乗り合いサービスの専用車両が配車される。社員は利用料を支払う必要はなく、伊藤忠が負担するため、経費精算の手間も省ける。まずは2020年7月末まで導入する。効果を検証し、運用を継続するかどうかを決める。
◇ ◇ ◇
気になった点を列挙してみる。
(1)車は誰が用意する?
「米ヴィア・トランスポーテーション」との提携に関する日経の記事によると「ビア社は欧米など60超の都市でサービスを提供するライドシェア大手」だが、「日本国内」では「直接サービスを手掛けず、タクシーやバス会社、地方自治体にビア社のシステムを提供していく」という。だとしたら車を用意するのは「タクシー」会社なのか。その辺りはしっかり説明すべきだ。
(2)「移動時間を業務に有効活用」?
「乗り合いサービスを導入」すると「複数人が乗り合わせても最適なルートを自動探索し、目的地に効率良く送り届ける」ようになるとしよう。それが「移動時間を業務に有効活用できるようにする」効果を持つだろうか。
従来は単独でのタクシー利用だった場合、後部座席で様々な作業ができただろうが、それは「乗り合いサービスを導入」しても変わらない。
これまで社員が社用車を運転するやり方だったのならば「移動時間を業務に有効活用できる」ようになるが、それは「乗り合いサービスを導入」したからと言うよりタクシーなどの利用に切り替えたからだ。結局、なぜ「移動時間を業務に有効活用できるように」なるのか謎だ。
「乗り合いサービスを導入」する最大のメリットは交通費の削減だと思えるが、そこには全く触れていない。これも気になる。
(3)遅刻が頻発しそうな…
「乗り合いサービス」は「主に営業などの外回りで活用」するらしい。「乗降場所を指定すると、乗り合いサービスの専用車両が配車される」というが、時間は「指定」できないのか。「複数人が乗り合わせても最適なルートを自動探索」してくれるとしても、営業先への到着時刻が読めないのでは使い物にならない。
深夜勤務の後の帰宅のための「乗り合い」ならば到着時刻は多少遅くなっても問題にならないが「営業などの外回り」で到着時刻が読めないのは辛い。
※今回取り上げた記事「伊藤忠、外回りの車両に乗り合い導入」
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20190924&ng=DGKKZO50112930T20C19A9TJC000
※記事の評価はD(問題あり)
0 件のコメント:
コメントを投稿