長崎港(長崎市)※写真と本文は無関係です |
週刊エコノミストには以下の内容で問い合わせを送った。
【エコノミストへの問い合わせ】
和光大学教授 岩間剛一様 週刊エコノミスト編集長 藤枝克治様
10月1日号の「NEWS~サウジ石油施設攻撃 中東の地政学に新たなリスク 1バレル=70ドル台うかがう動きも」という記事についてお尋ねします。「9月14日、国際原油市場に大きな衝撃が走った。無人機とされる攻撃によりサウジアラビアの国営石油企業サウジアラムコの石油施設が損傷、同国のアブドルアジズ・エネルギー相は原油生産量が日量570万バレル減少したと発表した」と冒頭で述べた上で、岩間様は以下のように解説しています。
「これまでは、中東の地政学リスクといえば、イランによるホルムズ海峡封鎖リスクのみが考えられ、米国とイランの最終的な武力衝突はないという楽観論が、国際原油市場のコンセンサスであった。だからこそ、タンカー攻撃や米国の無人機撃墜等が勃発しても、原油価格高騰が起こらなかった。しかし今回の攻撃で、ホルムズ海峡封鎖懸念に加えて、中東アフリカ地域の石油施設への無人機による攻撃の可能性が生まれ、新たな地政学リスクを背負い込んだ。仮に米国、サウジに人的被害が発生した場合には、イランとの全面的な武力衝突が現実となる可能性まである」
これを信じれば9月に起きた「今回の攻撃」で「中東アフリカ地域の石油施設への無人機による攻撃の可能性が生まれ、新たな地政学リスクを背負い込んだ」はずです。本当にそうでしょうか。
5月14日付の日本経済新聞の記事によると「サウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相は14日、同国中部の石油パイプライン施設が爆発物を積んだドローン(無人機)の攻撃を受けたと明かした」そうです。AFPも同日付で「石油パイプライン施設2か所にドローン攻撃、輸送停止 サウジ」という記事を出しています。
8月19日にはロイターが「フーシ派がサウジ油田に無人機攻撃、生産に影響なし」とも伝えています。こうした報道を総合すると、5月と8月にも「サウジアラビア」の「石油施設への無人機による攻撃」があったと考えられます。
「今回(9月)の攻撃」で「中東アフリカ地域の石油施設への無人機による攻撃の可能性が生まれ、新たな地政学リスクを背負い込んだ」との説明は誤りではありませんか。「中東アフリカ地域の石油施設への無人機による攻撃の可能性」は5月には現実になっていたはずです。記事の説明に問題なしとの判断であれば、その根拠も併せて教えてください。
付け加えると「これまでは、中東の地政学リスクといえば、イランによるホルムズ海峡封鎖リスクのみが考えられ」との説明も誤りでしょう。「中東アフリカ地域の石油施設への無人機による攻撃」も5月の段階で原油先物市場では材料視されていました。
問い合わせは以上です。回答をお願いします。週刊エコノミストでは読者からの間違い指摘を無視してミスを放置する対応が常態化しています。読者から購読料を得ているメディアとして責任ある行動を心掛けてください。
追記)結局、回答はなかった。
※今回取り上げた記事「NEWS~サウジ石油施設攻撃 中東の地政学に新たなリスク 1バレル=70ドル台うかがう動きも」
https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20191001/se1/00m/020/044000c
※記事の評価はD(問題あり)。岩間剛一教授への評価も暫定でDとする。
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