長崎湾(長崎市)※写真と本文は無関係です |
【ダイヤモンドへの問い合わせ】
東短リサーチ代表取締役社長 加藤出様 週刊ダイヤモンド編集部 担当者様
9月14日号の「金融市場 異論百出~『英王室御用達』企業も延命?超低金利への逆流でリスク蓄積」という記事についてお尋ねします。「2018年に世界で政策金利を引き下げた中央銀行はわずか3カ国しかなかった。ところが今年は、世界経済の失速懸念を背景に8月時点で30を超える中銀が利下げを実施している」と記した上で加藤様は以下のように説明しています。
「しかも、多くの先進国でこの10年ほどインフレ率はさほど上昇してこなかったため、物価を押し上げようと低金利政策を継続していた中銀は、その低位置から利上げを始めることになった。欧州中央銀行(ECB)をはじめ、そうした流れに追随する動きは9月以降さらに増えそうである」
文脈的には「その低位置から利上げを始める」ではなく「その低位置から利下げを始める」でないと成り立ちません。「ECB」は「9月以降」に利下げに踏み切るとの見方が一般的です。「ECB」が「そうした流れに追随する」のであれば「そうした流れ」は「利上げ」ではなく「利下げ」のはずです。
記事の説明は誤りと考えてよいのでしょうか。問題なしとの判断であれば、その根拠も併せて教えてください。
せっかくの機会なので、細かい点をさらに2つ指摘させていただきます。
まず「2018年に世界で政策金利を引き下げた中央銀行はわずか3カ国しかなかった」とのくだりは「2018年に世界で政策金利を引き下げた中央銀行はわずか3行しかなかった」とした方が良いと思えます。「中央銀行」は「国」ではないからです。「2018年に中央銀行が政策金利を引き下げた国は世界でわずか3つしかなかった」などとする手もあります。
次は「中銀が無理にインフレを押し上げようと超低金利政策を推し進めると、物価はあまり上がらないのに市中で信用が拡大する」という部分です。ここでは「インフレを押し上げ」という表現が気になりました。「インフレ率を押し上げ」の方が適切ではありませんか。
問い合わせは以上です。注文ばかり付けてきましたが、基本的には加藤様のコラムを高く評価しています。「本業をこなしながら、よくこれだけレベルの高い記事を毎週書けるものだな」と思わずにはいられません。末永く連載が続くことを切に願っています。
【ダイヤモンドからの回答】
鹿毛様
いつも週刊ダイヤモンドをご購読いただき、まことにありがとうございます。
お問い合わせの件ですが、著者に確認したところ「利上げ」ではなく「利下げ」ではないか、という鹿毛様のご指摘の通りということでした。
そのため、9/23週発売の週刊ダイヤモンド9/28号でその旨の訂正を掲載いたします。ご指摘いただき、ありがとうございました。
編集部の連載担当としても訂正を出すことがないよう今まで以上に注意してまいりますので、どうぞ今後も連載「金融市場異論百出」と週刊ダイヤモンドをご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。
ダイヤモンド編集部
◇ ◇ ◇
※「金融市場 異論百出~『英王室御用達』企業も延命?超低金利への逆流でリスク蓄積」
http://dw.diamond.ne.jp/articles/-/27504
※記事の評価はD(問題あり)。過去の記事も含め総合的に判断して、加藤出氏への評価はA(非常に優れている)を据え置く。
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