タマホーム スタジアム筑後(福岡県筑後市) ※写真と本文は無関係です |
記事の全文は以下の通り。
【日経の記事】
不思議な乗換駅が東京都足立区にある。京成本線の「関屋」と東武スカイツリーラインの「牛田」――。狭い道をはさんで小さな駅舎が向き合い、みんな行き来しているが別々の駅名だ。昭和の初めに相次ぎ開業して以来のことだというから、にらめっこの歴史は長い。
▼かつて京成と東武が競って路線を延ばすなかで、この光景が生まれた。戸惑う利用者も少なくないはずだが、鉄道会社のライバル意識というのはなかなか根が深いのである。さて関西に目をやれば、JR大阪駅と阪急、阪神の梅田駅は一体的に巨大ターミナルを形づくりながら駅名をたがえてきた。それがとうとう変わる。
▼10月1日をもって、阪急と阪神が「梅田」を「大阪梅田」に改めるそうだ。つまり「大阪」を冠するだけだが、私鉄王国の関西では阪急や阪神のほうがもともと存在感が強い。なのにあえて「JR寄り」に名を変えるわけだから相当な転換だろう。外国人の訪日客が増え、わかりやすさが何より重要になったからだという。
▼駅名も世につれ時代につれ。そういえばJR横須賀線に近年誕生した武蔵小杉駅は、南武線などの同名の駅とはかなり離れているのにこの名である。いま「ムサコ」は人気の街。そのブランド力ゆえの駅名か。ちなみに「関屋」「牛田」が統一する予定は当面ないらしい。頑固なたたずまいを見物に来る鉄道マニアもいる。
◎「大阪」と「大阪梅田」は同じ?
「阪急と阪神が『梅田』を『大阪梅田』に改める」と「JR大阪駅」と同じ駅名になるのか。明らかに違う。
「わかりやすさが何より重要になったからだという」という説明も引っかかる。これだと「JR大阪駅」と「一体的」だと理解してもらうために「『大阪梅田』に改める」のだと感じてしまう。
しかし7月30日付の日経の記事では「阪急電鉄と阪神電気鉄道は10月1日、通勤・通学客や観光客が多く利用する梅田駅(大阪市)の名称をそれぞれ『大阪梅田』に変える。阪急は京都市中心部にある河原町駅も『京都河原町』に改称する。都市名を加えることで位置関係を分かりやすくする」と報じている。「大阪」の駅だと分かってもらうための変更で、「JR大阪駅」に寄せたとは考えにくい。
そもそも梅田の「巨大ターミナル」には地下鉄の駅もあり、こちらの駅名は「梅田」だ。「JR大阪駅」に名前を寄せれば「わかりやすさ」が増すという単純な問題ではない。
そもそも「ほぼ同じ場所にあるのに駅名が全く違う」という例は少なくない。「『関屋』『牛田』が統一する予定は当面ないらしい。頑固なたたずまいを見物に来る鉄道マニアもいる」という結びから判断すると、筆者は非常に珍しい事例だと認識しているのだろう。
大阪で言えば、JR・地下鉄の天王寺駅と近鉄の大阪阿部野橋駅がそうだ。東京では地下鉄の小川町駅・新御茶ノ水駅・淡路町駅はほぼ一体のはずだ。こちらは日経の本社から歩いて見に行けるので、今回の「春秋」を担当した筆者にはぜひ見学してほしい。
※今回取り上げた記事「春秋:不思議な乗換駅が~」
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20190826&ng=DGKKZO48986230W9A820C1MM8000
※記事の評価はD(問題あり)。
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