2019年2月27日水曜日

特集「統計の泥沼」で週刊エコノミスト黒崎亜弓記者に高評価

週刊エコノミスト3月5日号の特集「統計の泥沼」は読み応えがあった。ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎経済調査室長、大阪経済大学経済学部の小巻泰之教授、学習院大学経済学部の宮川努教授という外部ライター3人の記事も良かったが、ここでは特集を担当した黒崎亜弓記者を高く評価したい。
文明堂総本店 南山手店(長崎市)
       ※写真と本文は無関係です

渡辺努・東京大学大学院教授」へのインタビュー記事を含め、外部ライターの記事以外は黒崎記者が執筆していて、いずれも完成度が高かった。ためになったし、記者としての問題意識も伝わってきた。特集の中で統計不正の防止策について黒崎記者は以下のように述べている。

【エコノミストの記事】

例えば英国では、統計院は統計方針の策定、実際の統計作成、統計の品質検査という機能を併せ持ち、行政ではなく議会直属となっている。1980年代以降、コスト削減による精度低下で統計への不信感が高まり、制度の形態は試行錯誤の末に今に至る。 

日本では、統計委員会のあり方が一つのカギになるだろう。現在の役割は“司令塔”として各省庁が実施する統計調査の設計を審議する役割にとどまるが、人事や予算の面で中立性を高めると同時に権限と体制を強化し、チェック機能を担うような形が考えられる。

◇   ◇   ◇

「なるほど」と思わせる内容になっている。特集には、ツッコミを入れたくなるくだりも特になかった。黒崎記者の今後に期待したい。


※今回取り上げた特集「統計の泥沼
https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20190305/se1/00m/020/044000c


※特集の評価はB(優れている)。黒崎亜弓記者への評価はBで確定とする。

0 件のコメント:

コメントを投稿