由布岳(大分県)※写真と本文は無関係です |
「ゴーン元会長のインタビューを載せたら、欧米メディアがこんなに取り上げてくれたんですよ。凄いでしょ」という喜びが記事から溢れてしまっている。その滑稽さを理解できない人物が編集局幹部に少なくとも何人かはいて、今回の記事掲載につながったのだろう。
記事の最初の段落だけ見ておこう。
【日経の記事】
日本経済新聞(電子版)が30日報じた日産自動車元会長のカルロス・ゴーン被告とのインタビューを各国のメディアは速報で伝えた。日産社内で行われた不正調査に関し「これは策略であり、反逆だ」と批判したゴーン被告の発言などに関心が集まっている。日経の英文媒体「Nikkei Asian Review」(電子版)が掲載した英語版の記事を引用する例も目立った。
◎これが1面の3番手?
この記事は1面の3番手で80行近い長さだ。「日本経済新聞(電子版)が30日報じた日産自動車元会長のカルロス・ゴーン被告とのインタビューを各国のメディアは速報で伝えた」ことは、日経の読者にとってそれほど重要な話なのか。
読者に何を伝えるべきかを真剣に考えて紙面を作っていたら、「ゴーン元会長インタビュー 欧米メディアが速報」を1面の大きな記事で取り上げる結果にはならなかったはずだ。
夕刊を担当した編集局幹部は「この手の自画自賛系の記事を載せると日経のメディアとしての価値が高まる」とでも思っているのか。個人的には「インタビュー記事を載せたところまでは良かったのに…」と残念でならない。
褒められたい気持ちは分からないでもない。だが、そこを我慢できずに自分で「こんなに凄いんですよ」とアピールするのは、あまりに未熟だ。日経編集局の幹部はそこに気付いてほしい。
※今回取り上げた記事「ゴーン元会長インタビュー、『反逆』発言に関心~欧米メディアが速報、電子版トップで掲載」
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20190131&ng=DGKKZO40693010Q9A130C1MM0000
※記事の評価はC(平均的)。「ゴーン元会長インタビュー」に関しては以下の投稿も参照してほしい。
日産のガバナンス「機能不全」に根拠乏しい日経 中山淳史氏
https://kagehidehiko.blogspot.com/2019/01/blog-post_31.html
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