2018年12月6日木曜日

上原浩治投手への誤解が過ぎる日経「悠々球論 権藤博」

巨人を自由契約となった上原浩治投手について野球評論家の権藤博氏が日本経済新聞で誤解に基づく主張を展開している。「上原には抑え以外に生きる場所はない。抑えで通用しなければ、そのときが引き際。本人もその覚悟でやってきたはずだ」と書くのは、上原投手のキャリアをよく分かっていないからだろう。
東京ドーム(東京都文京区)※写真と本文は無関係です

高齢の権藤氏に事実誤認があっても、ある程度は仕方がない。問題は日経の担当者だ。日経には以下の内容で問い合わせを送った。

【日経への問い合わせ】

6日の日本経済新聞朝刊スポーツ面に載った「悠々球論 権藤博~選手起用は『格』で判断」という記事についてお尋ねします。野球評論家の権藤博氏は「上原浩治」について以下のように述べています。

このオフ、上原は左膝の手術をした。中継ぎでの起用には体調などの事情もあったのかもしれないが、上原には抑え以外に生きる場所はない。抑えで通用しなければ、そのときが引き際。本人もその覚悟でやってきたはずだ

これは事実誤認に基づく主張ではありませんか。上原投手は今年、日本選手初の日米通算「100勝、100セーブ、100ホールド」を達成しています。「抑え以外に生きる場所はない」と考えていたのならば「100ホールド」は達成できません。

先発のときは先発のプライドを持ってやってましたし、今はこのポジション(中継ぎ)にいるので、このポジションのプライドを持ってますから」--。「100勝、100セーブ、100ホールド」の達成を受けた朝日新聞のインタビュー記事で上原投手はこう語っています。「抑えで通用しなければ、そのときが引き際。本人もその覚悟でやってきたはずだ」という権藤氏の見方を否定しているとも言えます。

悠々球論」は聞き書きだと見ています。だとすれば担当記者は工夫が足りません。「上原は中継ぎをやってた期間も長かったですよね」「本人は中継ぎにプライドを持ってたみたいですよ」などと権藤氏に話を向けてもよいでしょう。記事の書き方で上手く逃げる手もあります。

今回のような内容をそのまま紙面化すれば読者に誤解を与えますし、上原投手にも失礼です。結果的に権藤氏の名誉にも傷が付きます。「悠々球論」については、打ち切りを含めて対策を考える時期ではありませんか。

◇   ◇   ◇


追記)結局、回答はなかった。


※今回取り上げた記事「悠々球論 権藤博~選手起用は『格』で判断
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20181206&ng=DGKKZO38599440V01C18A2UU8000


※記事の評価はD(問題あり)。聞き書きだと推定し、権藤氏への評価は見送る。

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