小石川後楽園(東京都文京区) ※写真と本文は無関係です |
記事の全文は以下の通り。
【日経の記事】
オーガニック化粧品を製造・販売するラッシュジャパン(神奈川県愛川町)は65歳を上限としていた定年制を廃止した。年齢によって一律に雇用契約を変えるより、シニアの経験や人脈を活用できると判断した。再雇用の上限年齢を撤廃する企業は多いが、定年自体を廃止するのは珍しい。
同社は17年10月から、評価する社員と関わりのある上司や部下、同僚から評定とコメントを得て、上司が総合的に評価するようにしていた。従来は1人の上司が部下を評価していたが、上司も部下からの人事評価を受けるようになった。
部下から評価を受けることで、たとえば加齢によって能力や体力が落ちたことに気がつけるようになる。定年制に頼らず、仕事の量や質の調整ができるようになるというメリットも生まれた。化粧品産業では、ポーラ・オルビスホールディングス傘下のポーラやファンケルが一度定年退職してから雇用契約を結び直す再雇用制度の年齢制限を撤廃している。
◎旧聞に属する話では?
既に「定年制を廃止した」のであれば「具体的な時期を必ず記事に入れろ」とは言わない。ただ、「廃止した」ばかりでないと苦しい。12月11日付の記事ならば、廃止時期は直近1カ月以内か。それを超えても記事にする価値があるとの判断であれば、廃止時期を明示すべきだ。
この件のニュースリリースを見ると「2018年10月1日より、正社員(1320名:7月末現在)を対象に従来の65歳までの定年制を廃止」となっていて、発表日は8月8日だ。
「廃止した」のは2カ月以上前で、発表したのは4カ月前。それをニュース記事として堂々と世に送り出している。「定年廃止は10月1日、発表は8月8日」と知れば、多くの読者が「ニュースとしての価値がない」と思うはずだ。
不都合な事実を読者に知らせないまま、古い話をニュース記事に仕立て上げて良しとしているのであれば、記者としては失格だ。
しかも「定年制を廃止した」話は最初の段落でほぼ終わり、「17年10月から」の「人事評価」制度の見直しに紙幅を割いてしまう。このレベルの記事をそのまま紙面に載せてしまう企業報道部デスクの責任も重い。
※今回取り上げた記事「ラッシュジャパン、定年制を廃止 シニアの経験活用」
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20181211&ng=DGKKZO38767500Q8A211C1TJ2000
※記事の評価はE(大いに問題あり)。
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