2018年11月22日木曜日

プリマハムの植物工場なのに「セブンが野菜生産」と書く日経の騙し

記事を1面に持っていくために話を大きく見せることを完全に否定するつもりはない。だが限界はある。21日の日本経済新聞朝刊1面に載った「セブンが植物工場~サラダ7万食分のレタス生産」という記事は、その限界を超えた例だ。
平和祈念像(長崎市)※写真と本文は無関係です

プリマハムが植物工場」や「セブン向けに植物工場」が見出しでは1面には苦しいと判断したのだろう。「セブンが植物工場」との見出しになるように、記事の冒頭では「(セブンが)大規模な植物工場を設ける」と書き、後で「実は植物工場を設けるのはプリマハムのグループ企業なんです」と前言を翻す作りになっている。

そうしようと決めたのが記者なのかデスクなのか、その辺りは分からない。いずれにせよ、誤解や混乱を招く書き方だ。日経には以下の内容で問い合わせを送った。

【日経への問い合わせ】

21日の日本経済新聞朝刊1面に載った「セブンが植物工場~サラダ7万食分のレタス生産」という記事についてお尋ねします。

記事には「セブン―イレブン・ジャパンは東京都と神奈川県の店舗で販売するサラダやサンドイッチ向けに、大規模な植物工場を設ける」 「セブンは野菜の生産から商品の販売までを一貫して手掛け、規模の効果や価格などが安定するメリットを確保する」との記述があります。ここからは「セブン―イレブン・ジャパン」が自ら「大規模な植物工場を設け」て「野菜の生産」を手掛けると判断するしかありません。

しかし記事では「セブン専用の植物工場は同社向けに弁当などを製造するプリマハム傘下のプライムデリカ(相模原市)が、敷地内に約60億円をかけ建設。2019年1月の稼働を見込む」とも書いています。こちらを信じれば「植物工場を設ける」のは「プリマハム」のグループ企業であり「セブン」ではありません。

セブン―イレブン・ジャパンは大規模な植物工場を設ける」 「セブンは野菜の生産から商品の販売までを一貫して手掛け」といった説明は誤りではありませんか。筆者は「セブンが野菜の生産を手掛けるわけではない」と知りながら、話を大きく見せるために「セブンは大規模な植物工場を設ける」と書いたと推測できます。

記事の説明に問題なしとの判断であれば、その根拠も併せて教えてください。御紙では読者からの間違い指摘を無視する対応が常態化しています。「世界トップレベルのクオリティーを持つメディア」であろうとする新聞社として、責任ある行動を心掛けてください。

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※今回取り上げた記事「セブンが植物工場~サラダ7万食分のレタス生産
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20181121&ng=DGKKZO38015610R21C18A1MM8000


※記事の評価はD(問題あり)。

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