2018年11月11日日曜日

東洋経済で「那覇から台北わずか30分」と書いた牧野知弘氏に問う

週刊東洋経済11月17日号に載った「人が集まる街、逃げる街 第51回 那覇市[沖縄県]人とカネを引き付ける新国際都市」という記事は、誤りだと思える記述が目立った。東洋経済新報社には以下の内容で問い合わせを送っている。
成田国際空港(千葉県成田市)※写真と本文は無関係です

【東洋経済への問い合わせ】

不動産事業プロデューサー 牧野知弘様  週刊東洋経済編集長 西村豪太様

11月17日号の「人が集まる街、逃げる街 第51回 那覇市[沖縄県]人とカネを引き付ける新国際都市」という記事について3点お尋ねします。

(1)「日本最南端」は沖縄県ですか?

冒頭で「日本最南端に位置する沖縄県」と書いていますが、日本最南端は「沖ノ鳥島(東京都)」ではありませんか。

(2)「アジアの都市に最も近い」のは那覇市ですか?

記事には「首都東京をアジアの国際金融センターにしようという計画が叫ばれているが、国内では那覇市がアジアの都市に最も近く、実は国際金融センターの隠れた候補ともいえるのである」との記述があります。都道府県庁所在地に限っても、福岡市の方が「アジアの都市」に近いのではありませんか。福岡から釜山(韓国)までの距離は那覇から台北の約3分の1です。

(3)「那覇空港から台北まで30分」で行けますか?

記事では「那覇空港から台北までわずか30分」と説明しています。しかし、実際には1時間30分前後かかるのではありませんか。那覇発だと出発時刻と到着時刻の差は40分程度ですが、これは1時間の時差があるためです。

以上の3点は誤りだと考えてよいのでしょうか。問題なしとの判断であれば、その根拠も併せて教えてください。御誌では読者からの間違い指摘を無視する対応が常態化しています。日本を代表する経済メディアとして責任ある行動を心掛けてください。

質問(3)に関して補足しておきます。問題のくだりを長く引用すると「那覇空港から台北までわずか30分、上海まで1時間25分、香港まで2時間、シンガポールまで4時間強でアクセスできる。羽田空港から香港まで4時間、シンガポールまで7時間半であることを考えると、経済発展著しいアジアの諸都市へのアクセスは抜群といえる」となります。

「時差を考慮しないで所要時間を考えたのではないか」と思えたので、他の所要時間もネットで調べてみました。その数字をカッコ内に入れて問題のくだりを再現してみます。

「那覇空港から台北までわずか30分(1時間20分)、上海まで1時間25分(2時間5分)、香港まで2時間(2時間50分)、シンガポールまで4時間強(5時間25分)でアクセスできる。羽田空港から香港まで4時間(5時間)、シンガポールまで7時間半(7時間25分)」

羽田・シンガポールは許容範囲ですが、他は1時間前後のズレがあります。カッコ内の時間が絶対に正しいとは言いませんが、羽田・シンガポール間以外は誤りの公算大です。確認した上で、誤りであれば次号で訂正してください。

さらに言葉の使い方で1つだけ指摘しておきます。気になったのは以下の記述です。

市内の公示地価(18年1月)は国際通りで坪当たり約136万円と対前年同月比12.8%増。おもろまちは約94万円で同15.1%増となり、地価高騰が話題になっている

地価」に関して「2.8%増」「15.1%増」と表記していますが「地価が増える」とは言わない気がします。「対前年同月比」の「」も不要です。改善例を示してみます。

<改善例>

市内の公示地価(18年1月)は国際通りで坪当たり約136万円と前年同月比12.8%の上昇。おもろまちは約94万円で同15.1%高くなり、地価高騰が話題になっている

問い合わせは以上です。回答をお願いします。

◇   ◇   ◇
 
※今回取り上げた記事「人が集まる街、逃げる街 第51回 那覇市[沖縄県]人とカネを引き付ける新国際都市
https://dcl.toyokeizai.net/ap/registinfo/init/toyo/2018111700


※記事の評価はE(大いに問題あり)。この件に関しては、牧野知弘氏が関わっているオラガ総研を通じても問い合わせをしている。同氏への評価は間違い指摘への対応を見てから決めたい。


追記)結局、回答はなく、訂正も出なかった。これを受けて牧野知弘氏への評価はF(根本的な欠陥あり)とする。

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