2018年10月5日金曜日

空の「安全神話」そもそもある? 週刊ダイヤモンド「新幹線vs飛行機」

週刊ダイヤモンド10月6日号の特集「移動の覇者はどっち? 新幹線vs飛行機 十番勝負」について追加で問題点を指摘したい。取材班では「陸・空共に、安全神話が崩れつつある」と見ているようだが、そもそも「飛行機」に「安全神話」があるのか。
新地中華街(長崎市)※写真と本文は無関係です

取材班へは以下の問い合わせを送った。

【ダイヤモンドへの問い合わせ】

週刊ダイヤモンド編集部 柳澤里佳様 浅島亮子様 松野友美様 新井美江子様

10月6日号の特集「移動の覇者はどっち? 新幹線vs飛行機 十番勝負」の中の「Prologue 安全神話も4時間の壁も崩壊~新幹線vs飛行機 50年戦争の『その先』」という記事についてお尋ねします。問題としたいのは「飛行機」の「安全神話」に関する以下のくだりです。

だが最近、この最強モビリティーの様子がおかしい。陸・空共に、安全神話が崩れつつあるのだ。(中略)飛行機には災害が襲った。9月、台風21号による高潮の影響で関西国際空港が水浸しになった。関空連絡橋にタンカーが衝突し、海上空港の関空が孤立した。関空は空港民営化の先行事例だ。関空を運営する関西エアポートの初動対応が遅れたことで、8000人もの乗客が閉じ込められた。『これは天災ではなく人災だ』(航空会社幹部)という声が絶えない

安全神話」とは「確実な証拠や裏付けがあるわけではないが、絶対に安全だと信じられている事柄」(デジタル大辞泉)を指します。「飛行機」に関しては1985年の日航機墜落事故など数多くの死亡事故が起きていることを利用者の多くが知っています。ゆえに「安全神話」が成立する余地はありません。

また、「関空連絡橋にタンカーが衝突し、海上空港の関空が孤立した」ことは「飛行機」の「安全神話」と直接の関係がないのではありませんか。これは「飛行機」の事故とは言えません。

仮に「関空が孤立した」ことを以って「安全神話が崩れつつある」と判断するのならば、それよりはるかに重大な墜落事故が過去にあっても「安全神話」が崩れなかったことと整合しません。

飛行機」に関して「安全神話が崩れつつある」との説明は、誤りではありませんか。問題なしとの判断であれば、その根拠も併せて教えてください。

御誌では、読者からの間違い指摘を無視する対応が常態化しています。日本を代表する経済メディアとして責任ある行動を心掛けてください。

◇   ◇   ◇


追記)結局、回答はなかった。


※今回取り上げた特集「移動の覇者はどっち? 新幹線vs飛行機 十番勝負
http://dw.diamond.ne.jp/articles/-/24659


※特集全体の評価はD(問題あり)。担当者らの評価は以下の通り(敬称略)。

柳澤里佳(暫定C→暫定D)
浅島亮子(Dを維持)
松野友美(暫定D)
新井美江子(C→D)

※今回の特集に関しては以下の投稿も参照してほしい。

大宮からUSJ「2時間」で行ける? 週刊ダイヤモンド「新幹線vs飛行機」
http://kagehidehiko.blogspot.com/2018/10/usj-vs.html

「4時間の壁」崩壊に無理がある週刊ダイヤモンド「新幹線vs飛行機」
http://kagehidehiko.blogspot.com/2018/10/4vs.html

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