豊後森駅(大分県玖珠町)※写真と本文は無関係 |
【日経ビジネスの記事】
生まれた年代によって「○○世代」などとステレオタイプにくくられることに対し違和感や嫌悪感を抱かれる方にとっては、刺激的な表現が含まれています。
指摘している各年代の特徴は、専門家や経営者がそれぞれの研究や経験から導き出した「おおまかな傾向」をまとめたもので、各年代に生まれた全ての人が同じ気質を持つと主張しているわけではありません。
年代の分類方法は諸説あり、特集で提示した分類は数ある仮説の一つにすぎません。
◎守りを固めたのはいいが…
日経ビジネスは2016年8月8・15日合併号の特集「どうした50代! 君たちは、ゆでガエルだ」で強引な世代論を展開していた。今回はその反省があるのかもしれない。とは言え、守りを固めれば済む訳でもない。
今回の特集での「悪いのは、ミドルか現場かベテランか」との問題提起に対する担当者ら(松浦龍夫記者、古川湧記者、広田望記者、津久井悠太記者)の答えは、簡単に言えば「みんな悪い」だ。
「指摘している各年代の特徴は、専門家や経営者がそれぞれの研究や経験から導き出した『おおまかな傾向』」に過ぎない上に、それぞれの「年代」がそれぞれに「悪い」とすると、世代を論じる意味はかなり薄れる。
この問題は、世代別の特徴の説明にも表れている。例えば「氷河期世代(1971~86年生まれ)」の特徴は「悲観主義」「人付き合い苦手」「リスク回避優先」「強い諦め感」となっていて、そこに「今の現場のリーダーにはこんな人もいる恐れあり」との説明文を付けてイラストにしている。
「こんな人もいる恐れあり」についてはその通りだろう。だが、「悲観主義」「人付き合い苦手」「リスク回避優先」「強い諦め感」という特徴を持つ人は「バブル世代(1961~70年生まれ)」にも「ゆとり世代(1987~94年生まれ)」にも「いる恐れあり」だ。
「恐れあり」として守りを固めたつもりだろうが、これをやるとやはり「世代」を論じる意味が薄れる。だからと言って「今の現場のリーダーはこんな人たちだ」と決め付ければ、「全員に当てはまるのか」とのツッコミが入る。
守りを固めるとキレが悪くなるし、キレを良くしようとすると守りが弱くなる。世代論は基本的にこのジレンマから逃れられない。それでも挑戦した気概は買うが、高い評価は与えられない。
※今回取り上げた特集「働き方改革 やる社員 やらない社員 悪いのは、ミドルか現場かベテランか」
https://business.nikkeibp.co.jp/atcl/NBD/15/special/101601100/?ST=pc
※特集の評価はC(平均的)。担当者らの評価は以下の通りとする(敬称略)。
松浦龍夫(Cを維持)
古川湧(暫定D→暫定C)
広田望(暫定D→暫定C)
津久井悠太(D→C)
※古川記者、広田記者、津久井記者に関しては以下の投稿も参照してほしい。
「労働生産性は先進国最下位」に関する日経ビジネスの回答
https://kagehidehiko.blogspot.com/2018/09/blog-post_39.html
※2016年8月8・15日合併号の特集「どうした50代! 君たちは、ゆでガエルだ」については以下の投稿を参照してほしい。
50代が「ゆでガエル世代」に見えない日経ビジネスの特集
https://kagehidehiko.blogspot.com/2016/08/50.html
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