鎮西身延山本佛寺の大本堂(福岡県うきは市) ※写真と本文は無関係です |
【日経の記事】
ハリルホジッチ監督は「日本の選手は反則(FK)を取ることもできない」とよく嘆く。監督はそれをずる賢さの欠如と見るが、私はそれも技術不足の一種に思える。
日本の選手はボールを運ぶ途中でDFが近づいてくると、もうワンタッチ余計に持てば反則がもらえそうでも、衝突する前にパスやシュートを選んでしまう。「ボールを失うことは最大の悪」という育成年代でのしつけの影響か……。
そういう回避癖がついた選手に接点での強さ、紙一重で相手をかわす技術が身に付くはずがない。プレーが軽く見え、主審も反則を取りにくいだろう。肝心な場面で「打席に入らなくていい」というような指導から、覚悟の芽が育っていくようにも思えないのだ。
◎「シュート」選んじゃダメなの?
「シュートコースが空いた。ちょっと距離があるけどミドルシュートが狙えそう」という場面で相手チームの「DFが近づいて」きたら「もうワンタッチ余計に」ボールを持ってFKを得るのが常に正しい選択なのか。個人的には、「パスやシュート」を選んだ方が得点の確率が高そうならば、「もうワンタッチ余計に」持たずにゴールを目指してほしい。
「衝突する前にパスやシュートを選んでしまう」のは野球で言えば「打席に入らない」ようなものだと武智編集委員は考えているようだ。これにも同意できない。相手DFが近づいてくる前に日本代表の選手が「シュートを選んで」ゴールが決まった時に、武智編集委員は「何やってるんだよ。打席に入って勝負しろよ」と嘆くのか。
ついでに、野球に関して武智編集委員に1つ認識を改めてもらいたいことがある。
【日経の記事】
野球選手が技術の習得に熱心なのは、打者と投手の1対1の戦いの繰り返しで成り立つ、この競技の特性を考えると当然なのかもしれない。サッカー日本代表のハリルホジッチ監督の言葉を借りれば、まさに「デュエル(決闘)」の連続。
敬遠の四球以外、この戦いは不可避なので、投げる側も打つ側も腹を決めて立ち向かうのみ。その戦いに勝つために、「特打ち」のような個人技を伸ばす練習もふんだんに組み込まれている。
◎「敬遠以外は不可避」?
「敬遠の四球以外、この戦いは不可避なので、投げる側も打つ側も腹を決めて立ち向かうのみ」と書いているが、違う気がする。「敬遠」を「デュエル(決闘)」の回避とするのならば、他にも「回避」はある。大量リードしたチームの投手が9回を残して打席に立つ場合、全く打つ気なく凡退することは珍しくない。あれは「デュエル(決闘)」には程遠い。
※今回取り上げた記事「アナザービュー~覚悟の芽育つ指導を」
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20171229&ng=DGKKZO25237250Y7A221C1UU8000
※記事の評価はD(問題あり)。武智幸徳編集委員については以下の投稿も参照してほしい。
日経 武智幸徳編集委員はスポーツが分かってない?(1)
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2015/08/blog-post_21.html
日経 武智幸徳編集委員はスポーツが分かってない?(2)
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2015/08/blog-post_43.html
日経 武智幸徳編集委員は日米のプレーオフを理解してない?
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2015/12/blog-post_76.html
「骨太の育成策」を求める日経 武智幸徳編集委員の策は?
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2016/02/blog-post_87.html
「絶望には早過ぎる」は誰を想定? 日経 武智幸徳編集委員
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2016/03/blog-post_4.html
日経 武智幸徳編集委員はサッカーと他競技の違いに驚くが…
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2017/06/blog-post_2.html
日経 武智幸徳編集委員は「フィジカルトレーニング」を誤解?
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2017/07/blog-post_14.html
W杯最終予選の解説記事で日経 武智幸徳編集委員に注文
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2017/09/blog-post.html
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