2017年10月3日火曜日

民進合流は無視? 東洋経済「星浩のニュース戦記」の怠慢

週刊東洋経済10月7日号の「政治ジャーナリスト星浩のニュース戦記 第74回 総選挙で延命なるか安倍首相」という記事は、読者に届いた時点で価値のないものになっていた。民進党が希望の党への合流を決めたことを、全く反映していないからだ。週刊誌の場合、締め切りの関係で記事内容の陳腐化が避けられない時もある。ただ、今回は同じ号の別の記事で「合流」に触れているので、時間的余裕があったのに修正を怠った可能性が高い。
豪雨被害を受けた福岡県朝倉市 ※写真と本文は無関係です

ニュース戦記」の陳腐化した部分と、東洋経済への問い合わせは以下の通り。

【東洋経済の記事】

そうした異例の解散で始まった総選挙はどう展開するだろうか。ポイントは二つ。まず、民進党と共産党の候補者一本化がどこまで実現するかだ。日米安保や消費税など政策の隔たりが大きい両党に、本格的な政権構想や政策合意ができるはずはない。それでも、多くの選挙区で共産党が候補者を降ろし、共産党候補が善戦している選挙区で民進党が候補擁立を見送る「一本化」が進めば、自民党にとっては脅威となる


【東洋経済への問い合わせ】

政治ジャーナリスト 星浩様  週刊東洋経済編集部 担当者様

御誌を定期購読している鹿毛と申します。

10月7日号の「政治ジャーナリスト星浩のニュース戦記 第74回 総選挙で延命なるか安倍首相」という記事についてお尋ねします。この記事には「民進、共産両党の候補者一本化は進むのか」「多くの選挙区で共産党が候補者を降ろし、共産党候補が善戦している選挙区で民進党が候補擁立を見送る『一本化』が進めば、自民党にとっては脅威となる」などと民進・共産の選挙協力に繰り返し言及しています。しかし、ご存じの通り民進党は希望の党への合流を決めており、記事の内容は完全に陳腐化しています。

合流の動きは9月27日(水)には報道されており、28日(木)に正式表明となりました。記事を手直しする余裕はあったはずです。その証拠に同じ号の「フォーカス政治 衆院選最大のキーパーソン 小池百合子がバクチを打つ」という記事(筆者はインサイドライン編集長の歳川隆雄氏)では「民進党の前原誠司代表が小池氏に平伏して同党衆院選候補の“吸収”を要請、『希望』と『民進』の合流が実現した」と書いています。

政治ジャーナリスト星浩のニュース戦記」では、なぜ内容の修正を怠ったのでしょうか。時間的余裕があるのに今回のような記事をそのまま届けるのは、読者への背信行為と思えますが、編集部としてはいかがお考えでしょうか。また、星様はどのような判断で修正を見送ったのでしょうか。定期購読している読者に対して、誠意ある回答をお願いします。

◇   ◇   ◇

まず責任を負うべきなのは東洋経済の編集部だ。だが、星氏の責任も重い。「合流」の報道があった時点で「来週の東洋経済に載る自分の記事の内容が使い物にならなくなる」と判断できたはずだ。なのに、何の対応もしなかったのか。対応しようとしたのに、何らかの理由でできなかったのか。回答を待ちたい。


※記事の評価はE(大いに問題あり)。

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