2017年2月17日金曜日

阪急「東の端=高槻」問題 エイチ・ツー・オーの回答

日経ビジネス2月13日号の「編集長インタビュー~百貨店一本足から脱却 エイチ・ツー・オーリテイリング社長 鈴木篤」という記事で、阪急電車が走っている「東の端」を「高槻」と鈴木社長が語った件で、エイチ・ツー・オーから回答があった。日経ビジネスは例によって無視を貫いている。
桜井二見ヶ浦の夫婦岩と大鳥居(福岡県糸島市)
           ※写真と本文は無関係です

日経ビジネスへの問い合わせ、エイチ・ツー・オーへの問い合わせ、エイチ・ツー・オーからの回答の順で見てほしい。

【日経ビジネスへの問い合わせ】

日経ビジネス編集長 飯田展久様

2月13日号の「編集長インタビュー~百貨店一本足から脱却 エイチ・ツー・オーリテイリング社長 鈴木篤」という記事についてお尋ねします。この中で鈴木社長は以下のように述べています。

我々は、阪急電車が走っていて、阪神や阪急の名前を知らない人はいない、というエリアに重点投資します。電車の沿線で考えると、西の端と東の端に抜けがあった。それぞれ神戸と高槻です。そごう・西武から店舗を取得することで、その地を押さえることができるのですが、その業種がたまたま百貨店だったということです

この発言が正しいとすると、阪急電鉄の路線の「東の端」は「高槻」のはずです。しかし、阪急京都本線は高槻からさらに東へ延びており、「東の端」は「京都(駅で言えば河原町)」です。鈴木社長の発言内容は誤りではありませんか。正しいとすれば、その根拠も併せて教えてください。

神戸と高槻に関して「抜けがあった」かどうかも疑問が残ります。「その業種がたまたま百貨店だった」との発言から判断すると、百貨店ではなくスーパーであっても「その地を押さえることができる」のでしょう。

エイチ・ツー・オーリテイリングの傘下には阪急オアシス、イズミヤというスーパーがあり、これらも含めると神戸も高槻も「抜け」はありません。「抜け」は百貨店でしか埋まらないとすると「その業種がたまたま百貨店だった」との説明と整合しません。

仮に、当該部分で論じているのは百貨店の話だとしましょう。その場合、「東の端」は「そごう・西武から店舗を取得」しても「抜け」たままです。既に指摘したように「東の端」は京都です。そして2010年に四条河原町阪急を閉めたエイチ・ツー・オーリテイリングは現在、京都に百貨店を出していません。こうした点はどう理解すればよいのでしょうか。


【エイチ・ツー・オーリテイリングへの問い合わせ】

日経ビジネス2月13日号の「編集長インタビュー~百貨店一本足から脱却 エイチ・ツー・オーリテイリング社長 鈴木篤」という記事での鈴木社長の発言に関して、気になる点がありました。以下のくだりです。
グラン・プラス(ブリュッセル)※写真と本文は無関係です

我々は、阪急電車が走っていて、阪神や阪急の名前を知らない人はいない、というエリアに重点投資します。電車の沿線で考えると、西の端と東の端に抜けがあった。それぞれ神戸と高槻です。そごう・西武から店舗を取得することで、その地を押さえることができるのですが、その業種がたまたま百貨店だったということです

この発言を信じれば、阪急電鉄の路線の「東の端」は「高槻」となります。しかし、阪急京都本線は高槻からさらに東へ延びており、「東の端」は「京都(駅で言えば河原町)」です。

鈴木社長は本当に「電車の沿線で考えると、西の端と東の端に抜けがあった。それぞれ神戸と高槻です」と発言したのでしょうか。発言内容がこの通りだとすれば「東の端」は「高槻」で正しいのでしょうか。

日経ビジネス編集部にも同様の問い合わせをしていますが、回答は見込みにくい状況です。記事が鈴木社長の発言の趣旨を正確に伝えているかどうかだけでも教えていただければ幸いです。

お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いします。


【エイチ・ツー・オーリテイリングの回答】

メールで頂戴いたしましたご質問にご回答申しあげます。このたびは、セブン&アイHD様から百貨店の店舗の承継のお話しをいただき、西武高槻店、そごう神戸店、そごう西神店の3店舗が承継の候補として、約1年をかけて検討しているところでございます。
福岡県うきは市 ※写真と本文は無関係です

確かに、鹿毛様のご指摘のとおり、阪急沿線の東の端を正確に申しあげますと、京都になるかとは存じますが、関西ドミナントエリアへの集中投資を行っていくという当社グループの戦略からすれば、現存する当社の百貨店の店舗は、関東エリアと博多にはあるものの、阪急阪神沿線の主要店舗は、梅田を中心に、西宮と北摂エリアにしか展開しておりません。そのような中で、東西に拠点店舗展開を拡大していくことによって、関西ドミナントエリアの基盤を強化するという意味では今回の百貨店の承継は重要であると考えております。

今回の取材の中で、東の拠点としての西武高槻店を”東の端”という大まかなエリア表現としてお伝えしたことがそのまま掲載されたというのが経緯であり、本来の主旨は、東西に拠点を広げるといった思いで語ったことでございまして、そのような主旨をご理解いただいた上での表現で掲載していただければ、鹿毛様からご指摘を頂戴することもなかったかのではないかと考えております。

何卒ご理解の程、よろしくお願い申しあげます。

----------------------------------------

エイチ・ツー・オーの回答から判断すると、実際に鈴木社長は阪急沿線の「東の端」を「高槻」と言っているようだ。だとすると「この社長、大丈夫かな?」という感じはするが、問題はそこではない。

エイチ・ツー・オーの担当者としても「社長は確かに高槻を『東の端』って言ったけど、そこは趣旨を理解して上手く書いてよ」と思ったのだろう。回答の文面にもその気持ちが表れている。やはり、問題があるのは飯田展久編集長の方だ。

鈴木社長の発言内容に関する事実確認を怠り、誤った情報を読者に届け、それを読者から指摘されても黙殺する。どこにも前向きに評価すべき要素はない。

日経ビジネス2月20日号の「編集長の視点」では、東芝の経営問題に触れて「まるで自滅の道を歩んでいるかのようです」と結んでいる。その言葉が自らにも当てはまることに飯田編集長は気付いているだろうか。

※今回の件については以下の投稿を参照してほしい。

阪急「東の端」は高槻? 日経ビジネス飯田展久編集長に問う
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2017/02/blog-post_10.html


※飯田編集長に関しては以下の投稿も参照してほしい。

「逃げ切り」選んだ日経ビジネス 飯田展久編集長へ贈る言葉
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2015/12/blog-post_9.html

まず「汝自身を知れ」日経ビジネス飯田展久編集長に助言
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2016/09/blog-post_10.html

0 件のコメント:

コメントを投稿