学習院大学(東京都豊島区) ※写真と本文は無関係です |
【ダイヤモンドの記事】
第二言語を学習する前に、まずは母国語を流ちょうに話さなくてはいけないのか。
研究結果によると、二つの言語を習得した子供は、それぞれの言語の構造をより理解し、二つの言語をより意識して使う。多言語の教育によって発達が遅れることはない。
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これを読む限り、幼少期から第二言語を学んでも問題ないし、むしろプラスが大きいと思える。それを踏まえて、誌面ではすぐ下にある別の記事を読むと、全く話が違ってくる。
【ダイヤモンドの記事】
0歳から英語を学ばせようと急ぎたくなるのが親心ではある。しかし、小泉は「乳幼児は聴覚だけでなく、視覚、触覚、味覚、嗅覚の五感の神経回路を作っており、とにかく忙しい。英語にこだわり過ぎると、本来優先すべき発達が犠牲になりかねない」と指摘する。
英会話でLとRが聞き分けられないことで実害が生じることはまずないが、母国語が中途半端になると自己のアイデンティティーが欠如したり、精神の脆弱性が出てくるリスクもあるという。
極端な話だが、韓国では母国語である韓国語が身に付かないという深刻な事態も出て、小泉は相談を受けたことがある。
「いずれ韓国語は覚えるのだから、最初は英語から入った方がいいという考えがはやった時期に、生まれた子供に親が韓国語で話し掛けず、英語のテープだけを流し続けた結果、韓国語も分からない子になってしまった。言語の獲得には、耳に入ってくるだけの一方通行では駄目で、相手との相互作用が必須だからだ」
外国人力士を見ると、必要に迫られる中で日本語を身に付けている。やる気さえあれば、母国語をしっかり学んでから英語を学んでも遅いということはない。
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「多言語の教育によって発達が遅れることはない」はずなのに「英語にこだわり過ぎると、本来優先すべき発達が犠牲になりかねない」らしい。一体どっちなのかと聞きたくなる。
「母国語が中途半端になると自己のアイデンティティーが欠如したり、精神の脆弱性が出てくるリスクもある」のであれば、「第二言語を学習する前に、まずは母国語を流ちょうに話さなくてはいけない」はずだ。しかし、「若い脳は一つの言語しか一度に処理できない(×)」という項目では、「まず母国語」という考え方を否定している。
今回の記事には「迷信だらけで根拠薄弱 脳神話のウソ」というタイトルが付いているが、疑ってかかるべきはダイヤモンドの記事の方だ。
※記事の評価はE(大いに問題あり)。この記事に関しては以下の投稿も参照してほしい。
説明が矛盾だらけ 週刊ダイヤモンド「脳神話のウソ」
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2017/01/blog-post_17.html
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