2016年12月25日日曜日

FACTAに「声」を寄せた金山隆一エコノミスト編集長に期待

FACTA1月号の「読者の声」に気になる人が「」を寄せていた。週刊エコノミスト編集長の金山隆一氏だ。その中で金山氏は以下のように綴っている。
大分港(大分市) ※写真と本文は無関係です

【FACTAの記事】

経済メディアに26年従事してきたからこそ、「大手町と霞が関の取材だけで経済を分かった気になるな」と肝に銘じてきた。だから財界誌からネットまでくまなく見るがFACTAも欠かさず目を通す。

やはり気になるのは原発関連の報道。2016年2月号の橘川武郎・東京理科大学大学院教授の『「もんじゅ廃炉」は愚かな道』が指摘する「原発の賛否に関わらず社会全体が解決すべき使用済み核燃料の処理問題」など、原発推進か再稼働かという二項対立で解けない複雑な問題を丁寧に報道している姿勢がいい。

この頁の某月風紋も必ず目を通す。原子力規制庁の中途採用であぶり出した「オールジャパンで原子力人材が払底している」状況などはメディアが伝えるべき視点だ。

エネルギー問題だけでなく、15年以上続く慢性デフレの真因と打開策、ネット時代のメディアの新しい姿、資本主義の次の世界など、骨太のテーマで、どちらが新しい視点や切り口、ウルトラCの処方箋を提示できるか、誌面で勝負したい。

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自分が知らないだけでよくある話かもしれないが、ライバル関係にある雑誌に「読者の声」を送っていたのが、まず驚きだった。例えて言えば、日経の編集局長が朝日の「」欄に編集局長として投稿するようなものだ。そんなことが起きれば驚愕するし、日経を少し見直すだろう(過去になかったと確認できているわけではない)。

しかも金山氏は「骨太のテーマで、どちらが新しい視点や切り口、ウルトラCの処方箋を提示できるか、誌面で勝負したい」と挑戦状も叩きつけている。週刊エコノミストでの取り組みに自信があるからできる芸当だと思える。

週刊ダイヤモンドの田中博氏、週刊東洋経済の西村豪太氏、日経ビジネスの飯田展久氏といった、読者からの間違い指摘を握りつぶしてでも自分たちのプライドを必死に守ろうとする類の編集長とは異なる「覚悟」を感じる。

日本の経済メディアの中で現在、最高の格付けを付与しているのが週刊エコノミストだ。ここが崩れると、かなり苦しい。しかし、「ウルトラCの処方箋を提示」しようとの気概を持ち、ライバル誌に勝負を挑む金山氏ならば、期待してもいいのではないか。今回の「読者の声」はそういう希望を与えてくれるものだった。


※参考までの「経済メディアの格付け」を以下で紹介しておく。8月時点の格付けを変更していない。

◆経済メディア格付け(2016年12月25日時点)

週刊エコノミスト(A) 
週刊東洋経済(BBB+) 
週刊ダイヤモンド(BBB)
FACTA(BBB)
日経ビジネス(BB)
日本経済新聞(BB)
日経ヴェリタス(BB)
日経MJ(BB-)
日経産業新聞(BB-)

※購読料を払うだけの価値があると思えるメディアをBBB以上に格付けしている。

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