2016年12月30日金曜日

日経女性面で誤った認識を垂れ流す水無田気流氏

日本経済新聞女性面にコラムを書いている水無田気流氏の問題は何度か取り上げてきた。30日の女性面のインタビュー記事でも、相変わらず思い込みに基づく誤った認識を垂れ流していた。聞き手である佐藤珠希女性面編集長にメールで意見を送ったので、その内容を紹介したい。
大分銀行赤レンガ館(大分市) ※写真と本文は無関係です

【日経女性面編集長へのメール】


日本経済新聞 女性面編集長 佐藤珠希様

12月30日の「女・男 ギャップを斬る~共働き社会 追いつかぬ政策 平日の子連れパパ 定着を/母に求める水準高すぎる」という記事について意見を述べさせていただきます。 記事は水無田気流氏と池田心豪氏に佐藤様がインタビューする内容となっています。この中で特に水無田氏の発言に問題を感じました。

記事の中では、女性だけが負担を強いられているかのような発言が出てきます。例えば「保育園の入園手続きは煩雑で仕事復帰へのプレッシャーも大きい。母親は精神的・時間的コストを一人で負っている」と水無田氏は述べていますが、父親が「精神的・時間的コスト」を負っているケースも当然にあります。家庭によって事情はそれぞれなのに「母親は精神的・時間的コストを一人で負っている」と断言するのは正しいのでしょうか。

より大きな問題があるのは以下の発言です。

「私も子どもが生まれたときは非常勤講師だったので、預け先探しに苦労した。専門学校の夜間講義の日は公営の一時保育に預け、午後9時に授業が終わると迎えに飛んで行き、寝ている息子を引き取りタクシーで帰る。託児コストで講義報酬の半分近くが消えた。両立のコストを女性だけが担っている。社会構造の問題だ」

「我が家の場合は両立のコストを女性である自分だけが担った」と言うのは分かります。しかし、それはあくまで水無田氏の話です。なのに、なぜか水無田氏は「両立のコストを女性だけが担っている。社会構造の問題だ」と全体に広げてしまいます。保育園への子供の送り迎えをしている男性など日本中に山ほどいます。それは佐藤様もご存じのはずです。なのに「両立のコストを女性だけが担っている」といった水無田氏の誤った認識を正さないまま、記事にしてよいのですか。

「両立のコストを負っている男性もいますよね」とインタビュー時に聞いてもいいでしょう。偏見が強すぎる部分については省いて記事にする選択もあります。しかし、そうした手を打たず、誤解に基づく水無田氏の発言をそのまま載せてしまったのは、佐藤様にも責任があります。

そもそも「両立のコストを女性だけが担っている」状況がおかしいと思うのならば、水無田氏はなぜ自ら改善に動かなかったのでしょうか。「託児コストで講義報酬の半分近くが消えた」と述べていますが、夫が働いていたのであれば、「託児コスト」の一部を負担してもらえばよいでしょう。夫が無職であれば、送り迎えは分担できそうです。健康上の問題などでそれも難しい場合はあり得ます。ただ、その場合は「社会構造の問題」というより、「個別の家庭の問題」と見るべきです。


「母親は精神的・時間的コストを一人で負っている」「両立のコストを女性だけが担っている」といった誤った情報を読者に届けるのは、そろそろ終わりにしませんか。水無田氏をどうしても使いたいのならば止めません。ただ、偏見に満ちた思い込みに関しては、佐藤様から働きかけて改めてあげてはどうでしょう。読者の利益を考えればそうすべきですし、結果として水無田氏の名誉も守られるはずです。

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※記事の評価はD(問題あり)。佐藤珠希女性面編集長への評価はE(大いに問題あり)を据え置く。水無田気流氏については以下の投稿も参照してほしい。

日経女性面なら許される? 水無田気流氏の成立しない説明
http://kagehidehiko.blogspot.com/2015/10/blog-post_55.html

日経女性面「34歳までに2人出産を政府が推奨」は事実?
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2016/06/34.html

日経女性面に自由過ぎるコラムを書く水無田気流氏
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2016/06/blog-post_5.html

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