角島の海水浴場(山口県下関市) ※写真と本文は無関係です |
記事の全文は以下の通り。
【日経の記事】
亜鉛の国際価格が急伸している。指標となるロンドン金属取引所(LME)の3カ月先物は日本時間2日の時間外取引で1トン2440ドル前後で推移。10月21日の直近安値に比べ7%高く、2011年7月以来5年4カ月ぶりの高値を付けた。市場で亜鉛の供給不安が意識された。
今週に入ってスイス系資源大手グレンコアがオーストラリアの亜鉛鉱山の一部休止を表明した。亜鉛は15年以降、国際価格の急落を受けて豪州や南米の鉱山が相次いで閉鎖や休止に追い込まれた。
市場関係者によると16年の亜鉛供給量は約1360万トン。「需要量は1400万トン強で30万トン前後不足する」との見方もある。
中国内の石炭や鉄鉱石価格の上昇も強材料となった。中国は世界の亜鉛生産の半分に当たる約700万トンの亜鉛を輸入している。石炭などの値上がりが中国の景気回復を連想させた。
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2015年には確かに相場が下げている。「15年以降、国際価格の急落を受けて豪州や南米の鉱山が相次いで閉鎖や休止に追い込まれた」のは分かる。だが、「グレンコアがオーストラリアの亜鉛鉱山の一部休止を表明した」のは「今週に入って」だ。「国際価格の急落」が「休止」の理由とは考えにくい。
老朽化などが理由ならば、相場が高い状況での「休止」もあり得る。だが、記事の書き方だと「国際価格の急落を受けて豪州や南米の鉱山が相次いで閉鎖や休止に追い込まれた」流れの1つとしてグレンコアによる「亜鉛鉱山の一部休止」があったと解釈するしかない。「一部休止」は事実なのだろうが、休止の理由をきちんと説明できているとは思えない。
10月28日の朝刊マーケット総合2面に載った「スズ、2年ぶりの高値 国際価格 産地、雨期控え供給不安」という記事も問題があった。どちらも商品部の非鉄担当記者が書いている可能性が高い。「自分はレベルの低い記事を垂れ流している」と本人は気付いているだろうか。商品部のデスクによる指導は期待しにくい。市場関連記事をきちんと書ける記者になるためには、自ら問題点を自覚して改善に取り組むしかないと肝に銘じてほしい。
※記事の評価はD(問題あり)。
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