瑞松院(福岡県柳川市) ※写真と本文は無関係です |
【ダイヤモンドへの問い合わせ】
週刊ダイヤモンド編集部 岡田 悟様 藤田章夫様 大根田康介様 西田浩史様
9月24日号の第2特集「関関同立」についてお尋ねします。「立命館の大阪進出で幕開け 関西地区の壮絶な地殻変動」という記事に以下の記述があります。
「加えて、茨木市や高槻市、吹田市など北摂エリアは、立命館大にとってライバルになり得る私立大学が少ない。中でも茨木市は、都心部で唯一、難関私大が存在しない関西最後の空白地帯だった。兵庫県からもJR一本で通うことができる立地を手中に収め、その地位を盤石なものにする構えだ」
「都心」とは「大都市の中心部」という意味なので「茨木市」を「都心部」に含めるのは誤りだと思えますが、ここでは受け入れて「茨木市=都心部」だとしましょう。その場合、例えば門真市や寝屋川市も「都心部」に入ってくるはずです。しかし、門真市には大学が存在しません。寝屋川市には摂南大学と大阪電気通信大学がありますが、これは御誌の「総合難易度」でも低い方に入っており、「難関私大」とは言えません。
記事の説明は誤りと考えてよいのでしょうか。問題なしとの判断であれば、その根拠も併せて教えてください。
ついでにもう1つ指摘しておきます。
記事では「立命館大は北海道にも系列高校を有するなど全国展開に積極的で、他県に出ることをいとわない校風だ。だが、わざわざライバルがひしめく大阪に進出する決断を下したのには、三つの理由がある」と書いています。しかし、「三つの理由」の説明の中で「(進出した大阪の)茨木市や高槻市、吹田市など北摂エリアは、立命館大にとってライバルになり得る私立大学が少ない」と矛盾するような説明をしています。これではライバルの多い地域に出たのか少ない地域に出たのか、よく分かりません。
整合性の問題にも十分に気を配りながら記事を書くように心がけてください。
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「茨木市」を「都心」としたのは、言葉の意味が分かっていないのか、関西を知らないのか微妙ではある。記事には他にも「関西のことが分かっていないのかな」と思える部分がある。
茨木進出の理由としてダイヤモンドはこう書いている。「二つ目は、グローバル化に伴い大阪の制覇を目指していることだ。大阪は関西の中でも、とりわけアジアとの関係が強い地域。『アジア太平洋地域に位置する日本の学園』を標榜する立命館大にとって、大阪への進出はグローバル化への試金石だ」。
百歩譲って「大阪への進出はグローバル化への試金石」だとしよう。だったら大阪市内に出るべきだ。茨木市にキャンパスができても「グローバル化」に影響はなさそうに思える。
さらに言えば、茨木への進出に関して「兵庫県からもJR一本で通うことができる立地を手中に収め、その地位を盤石なものにする構えだ」と説明しているのも引っかかる。これを読むと「それまではJR一本で通える立地を手にしていなかった」との印象を受ける。しかし、立命館の本拠地である京都の衣笠キャンパスには「兵庫県からもJR一本で通うことができる」。
ついでに、特集に載せた地図や表の中の説明にもツッコミを入れておきたい。
113ページの「仁義なき陣取り合戦」という地図では、立命館大学の大阪進出の影響を解説している。この中で「関西大学(千里山)」には「ちょっと影響で済んだ」との説明が付いている。これは「ちょっとの影響で済んだ」とすべきだ。「の」が抜けている。
114~115ページの「関関同立・全53学部『序列マップ』」では、同志社大学の「京田辺キャンパスグループ」に対して「将来近くにリニアの駅ができて将来人気がアップ?」との説明を付けている。
「将来」を重ねているのがまず拙い。「将来近くにリニアの駅ができて人気がアップ?」で十分だ。個人的には「リニアの駅ができて人気がアップ?」という発想がよく分からなかった。リニアの駅ができると「リニアで通学できるから京田辺キャンパスを選ぼう」という学生が増えるのだろうか。
※特集全体の評価はD(問題あり)。岡田悟記者への評価はF(根本的な欠陥あり)を維持する。藤田章夫記者は暫定でDとする。暫定Dとしていた大根田康介記者はDで確定させる。暫定C(平均的)の西田浩史記者は暫定Dに引き下げる。岡田記者のF評価については「こっそり『正しい説明』に転じた週刊ダイヤモンド岡田悟記者」(http://kagehidehiko.blogspot.jp/2016/08/blog-post_96.html)を参照してほしい。
追記)結局、回答はなかった。
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