大分県日田市の三隈川(筑後川) ※写真と本文は無関係です |
海外旅行やサークル活動、そして合コン──。そんな青春を謳歌する大学生像は一部のドラ息子・娘を除き、今や昔の話。奨学金という名の借金を背負い、生活苦にあえぐ学生が急増中だ。
「このバイトをやっていて良かったことなんて一つもないですね……」
毒々しいネオンサインが溢れる都内の繁華街。デリバリーヘルス店で働く美央さん(仮名・21歳)は、そうつぶやいた。同店の売り文句は「女子大生専門」だ。
美央さんは都内の私立大学に通うため、実家を離れ1人暮らし。デリヘルのシフトは週2日。1回2万円ほどの“サービス料”のうち、手にするのは半分強にすぎない。客数は1日平均2~3人だ。
親からの仕送りは学費と家賃に消えるため、稼いだ金の大半が生活費に消えていく。
「親や彼氏にも言えるわけがないですよね。でも、女友達もキャバクラ勤めは普通。言わないだけでデリヘル嬢も少なくないかも」
仕事を始めて驚いたのは、70~80代の年金暮らしの男性客が想像以上に多いことだった。
「下着をはき替えさせられたり、体をなで回されるだけだったり。私は稼げるからいいけど、年金がこんな形で使われるのは……」
美央さんのように風俗店で働かなくても、「長時間の深夜バイトで、学費や生活費を稼がざるを得ない学生が増えている。金銭的に下宿できず、茨城県の自宅から毎日、八王子のキャンパスに通う学生もいる」と東京私大教連書記長の中川功・拓殖大学教授。
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まず「美央さん」が「デリバリーヘルス店で働く」理由が謎だ。「親からの仕送りは学費と家賃に消える」ということは、逆に言えば学費と家賃に充てられる仕送りがあるのだろう。残りの生活費は月10万円もあれば足りる。普通のアルバイトでも稼げる金額だ。なのに、なぜキャバクラも飛び越えて「デリバリーヘルス店で働く」のか。記事には何の説明もない。
記事では「稼いだ金の大半が生活費に消えていく」と「美央さん」の苦境を訴える。しかし、計算してみると彼女のデリヘルでの月収は20万円に達する。学費と家賃を仕送りで賄っていると考えると、かなり優雅な学生生活だ。これを「生活苦にあえぐ学生」の代表のように取り上げても説得力はない。
説明に欠陥があるのはこの記事にとどまらない。残りは(2)で紹介したい。
※(2)へ続く。
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