JR久大本線 日田駅(大分県日田市) ※写真と本文は無関係です |
【日経の記事】
市場参加者たちが相場波乱が収まったとは思っていないのは、日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)がなお高水準であることからも読み取れる。
26日終値は34.09。12日につけた50.24からは下がったとはいえ、市場は日経平均が68%の確率で毎日2.1%(26日終値からは約340円)上下に振れると予想している計算になる。
【日経への問い合わせ】
「スクランブル~荒れる株価は宿命か」という記事についてお尋ねします。記事では、日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)の26日終値が34.09であることに関して「市場は日経平均が68%の確率で毎日2.1%(26日終値からは約340円)上下に振れると予想している計算になる」と解説しています。
しかし、この説明は奇妙です。まず、「毎日2.1%上下に振れる」可能性はほぼゼロです。記事を文字通りに受け取れば「日経平均に関して、2.1%上昇あるいは2.1%下落という値動きが毎日続く確率は68%」となります。2.0%でも2.2%でもなく「2.1%」が毎日続く確率を「68%」と考えるのが正しいかどうかは明らかです。
日本取引所グループのホームページにある用語解説を基に考えると、日経VIが34.09ということは、今後1か月間のボラティリティが年率で34%(日次換算で2.1%)と市場で予想されているのでしょう。この場合、日経平均の当日終値が前日終値に比べ±2.1%の幅に収まる確率は68%となります。これならあり得そうです。
記事の説明に従うと「毎日プラス2.1%かマイナス2.1%になる確率=68%」となります。「ちょうど2.1%が続くとの前提は非現実的過ぎる」と判断して解釈すると、人によっては「プラスでもマイナスでも変動率が毎日2.1%を超える確率=68%」と考えてしまうかもしれません。実際は「前日終値に比べた当日終値の変動率が±2.1%の幅に収まる確率=68%」ではありませんか。
「毎日2.1%上下に振れる」の「毎日」も正しくないはずです。「前日終値に比べた当日終値の変動率が±2.1%の幅に収まる確率」であれば「68%」は妥当ですが、それが「毎日」となれば68%はあり得ません。
記事の説明は誤りと考えてよいのでしょうか。正しいとすれば、その根拠を教えてください。1週間経っても回答がない場合は誤りと判断させていただきます。
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※記事の評価はD(問題あり)。川崎健次長への評価もDを据え置く。川崎次長に関しては「なぜ下落のみ分析? 日経 川崎健次長『スクランブル』の欠陥」「川崎健次長の重き罪 日経『会計問題、身構える市場』」も参照してほしい。
追記)結局、回答はなかった。
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