2016年1月29日金曜日

週刊ダイヤモンドをBBBへ格下げ  東洋経済はAに格上げ

週刊ダイヤモンドと週刊東洋経済を毎週読む習慣が身に付いたのはいつだったか、明確な記憶はない。少なくとも20年以上は読み続けてきた。そして、いつの頃からか「ダイヤモンドが上で東洋経済が下」との序列ができた。「表紙のタイトルを見ただけで読みたくなる特集が多く、内容でも期待に応えてくれる」という点で、ダイヤモンドはずっと東洋経済を凌駕していた。
東京都庁(東京都新宿区)からの眺め
          ※写真と本文は無関係です

ところが、ここ数年で状況が変わってきた。まず、ダイヤモンドの誌面の質が落ちている。2015年5月30日号の特集「鈴木敏文の破壊と創造」のようなヨイショ記事がやたらと目立つ。売れ行きが良かったからといって15年7月18日号でやったマイナンバー特集を11月21日号で再び前面に押し出したのは、最近の志の低さと無縁ではないだろう。

さらには、メディアとしての説明責任も果たせていない。15年6月13日号の「お詫びと訂正」に関して訂正記事にも誤りがあると指摘したところ、それ以降はこちらからの全ての問い合わせを無視するようになった。その間に指摘した記事中の誤りも多くは握りつぶされている。これでは「自分たちはまともなメディアではない」と公言しているようなものだ。

もちろん東洋経済も手放しには褒められない。しかし、ダイヤモンドと比べるとどうしても光り輝いて見える。15年10月31日号の「TSUTAYA 破壊と創造」、今年1月16日号の「独占追跡~村上強制調査」--。他人に薦めたくなるような優れた記事は、ダイヤモンドではなく東洋経済から生まれてきている。単なる偶然とは思えない。

昨年4月時点での格付けはダイヤモンドが「A」で東洋経済が「A-」。昨年6月に両誌が「A-」で並び、今回ついに逆転するに至った。自分の中で20年以上続いてきた「日本で最も優れた経済メディアは週刊ダイヤモンドである」という前提は脆くも崩れたのだ。


◆経済メディア格付け(2016年1月29日時点)

週刊東洋経済(A)
週刊ダイヤモンド(BBB)
週刊エコノミスト(BBB)
FACTA(BBB)
日経ビジネス(BB+)
日本経済新聞(BB)
日経ヴェリタス(BB)
日経MJ(BB-)
日経産業新聞(BB-)


※購読料に見合う完成度が期待できる媒体をBBB以上、期待できない媒体をBB以下として格付けした。今回は東洋経済をA-からAへ、ダイヤモンドをA-からBBBへ変更した。

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