東京都庁(東京都新宿区)からの眺め ※写真と本文は無関係です |
【ダイヤモンドへの問い合わせ】
週刊ダイヤモンド 清水量介様
「結局どうなる!? 1億総活躍~矢ではなく的!? 新3本の矢の前途多難」という記事についてお尋ねします。記事ではアベノミクスに絡めて「何しろ、3年間で日本の株価は3倍に上昇」と説明しています。しかし、日経平均株価で見ると、安倍政権発足時が約1万円で現在は約1万9000円と2倍にもなっていません。政権発足後の最高値でも2万1000円に届かないのですから、「3年で3倍」はさすがに無理があります。政権獲得が決まった2012年12月の総選挙の直前と比べても現状で2倍ぐらいです。記事の説明は誤りと考えてよいのでしょうか。正しいとすれば、その根拠を教えてください。
御誌では、読者からの間違い指摘を無視した上で記事中の誤りを握りつぶす対応が常態化しています。記事が誤りであれば、誤りを認めて訂正記事を載せればいいのです。正しければ、読者に対しその根拠を示せば済みます。書き手として何を為すべきか改めて自問してみてください。
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清水記者は「来る日も来る日も終電間際まで仕事が終わらず、朝も6時前から自宅で原稿を書いていました」と今回の特集の執筆を振り返っている。疲れがたまり過ぎて「3年間で日本の株価は3倍」と書いてしまったのだろうか。単純なミスなので、あまり気にする必要はない。間違いを認めて訂正を出せば大丈夫だ(「記事に問題なし」と主張する手ももちろんある)。しかし、それを怠ってだんまりを決め込んでしまえば、記者失格の烙印を押されても文句は言えない。
田中博編集長にも「記事中の間違いを握りつぶすのはそろそろ止めませんか」とお願いしておく。軽減税率の議論に絡んで「税制に公平は求めませんが、せめて公正であってほしいと思うのは私だけでしょうか。亡国の道を歩んでいる気がしてなりません」と田中編集長は嘆いている。しかし、税制を嘆く前に、メディアとしての自らの欺瞞を嘆くべきだろう。「滅びへの道を歩いているのは、読者への背信行為を続ける自分たちの方だ」とは思わないのか。
※清水量介記者が本心でどう思っているかは分からないが、指摘を無視するならば書き手としての評価はF(根本的な欠陥あり)とするほかない。記事の評価はD(問題あり)とする。
追記)週刊ダイヤモンド編集部からの回答はなかったが、「日本の株価は3倍」を「日本の株価は2倍ほどに」へ訂正する旨の「訂正とお詫び」が1月9日号に掲載された。清水記者への評価は暫定でDとする。
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