福岡城跡から見た福岡市内 ※写真と本文は無関係です |
【ダイヤモンドの記事】
11月上旬、大手小売りチェーンの一部店舗から、サントリービールの大型新商品「ザ・モルツ」がひっそりと消えた。
今年9月、サントリーはスタンダードビール市場への本格進出を宣言し、満を持して「ザ・モルツ」を投入。テレビCMには人気ダンスユニットの「EXILE TRIBE」を起用するなど、大量の広告投資と低価格攻勢でビール売り場を“ジャック”した。
ところが、発売当初こそコンビニエンスストアやスーパーマーケットの店頭をにぎわせたものの、11月以降「ザ・モルツ」の販売数量は急失速。「もう、ベンチマークする必要性はない。戦況は平常運転に戻った」とある競合メーカー幹部は言い切る。
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「11月以降『ザ・モルツ』の販売数量は急失速」と書いているのに具体的なデータはない。「失速」の根拠を強いて挙げれば「大手小売りチェーンの一部店舗から『ザ・モルツ』がひっそりと消えた」ことだろう。しかし、「一部店舗」がどの程度の規模なのかも、消えた理由も分からない。
11月23日の日経MJではダイヤモンドと正反対とも言える評価をしていた。「ザ・モルツ」について「発売から2カ月強。当初12月末までの約4カ月間で200万ケース(大瓶20本換算)の販売を目指していたが、11月初旬にはその目標を達成。計画を300万ケースにまで上方修正した」とも書いている。
「急失速」が「11月以降」だとすれば、2つの記事に矛盾はない。ただ、日経MJがきちんとデータを示しているのに対し、ダイヤモンドにはそれがない。そうなると、ダイヤモンドの記事を信頼するのが難しくなる。
さらに謎なのが「サントリーは『5年後に年間1000万ケースを狙う』と意気込むが、現実には達成が難しい状況に追い込まれている」という説明だ。そもそも、発売から3カ月しか経っていないのに「(目標の)達成が難しい状況」と考えるのは、かなり気が早い。
発売から4カ月の目標が300万ケースなので、単純計算では年間900万ケース。「5年後に年間1000万ケース」という目標はそこそこ現実的だ。これを非現実的と思えるほど販売は「大失速」していると泉記者が判断したのならば、記事中でその根拠を示すべきだ。
記事には他にも気になる部分がある。それらについては(2)で述べる。
※(2)へ続く。
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