2015年12月8日火曜日

「103万円の壁」は税制の問題? 日経「税金考」への疑問(2)

6日の日本経済新聞朝刊1面の「税金考~試される政治(2)選挙のワナ 先送り誘発 再考の時」について、言葉の使い方で注文を付けておきたい。問題としたいのは「年収103万円以下の専業主婦世帯などの税金を軽くする配偶者控除の見直し先送りが固まったためだ」というくだりだ。この件では日経に問い合わせを送ったので、その内容を紹介する。送信から既に2日が経ったが反応はない。いつものパターンならば、回答は届かないはずだ。

ビューホテル平成(福岡県朝倉市)から見た筑後平野 
                ※写真と本文は無関係です
【日経への問い合わせ】

記事中に「年収103万円以下の専業主婦世帯などの税金を軽くする配偶者控除の見直し先送りが固まったためだ」との記述があります。しかし、「配偶者控除」に関する「年収103万円以下の専業主婦世帯などの税金を軽くする」との説明は誤りではありませんか。この制度は控除対象配偶者の年収が103万円以下の場合に所得控除が受けられるもので、「世帯収入103万円」は基準とはなりません。世帯収入103万円以下でも控除はもちろん受けられますが、そこが境目ではありません。

筆者は「年収103万円以下の専業主婦がいる世帯」と言いたかったのかもしれません。ですが「年収103万円以下の専業主婦世帯」をそう解釈するのは困難です。また「専業主婦」は基本的に無収入なので「年収103万円以下の専業主婦」は間違いではないにしても奇妙です。やはり「年収103万円以下」なのは「専業主婦世帯」と解釈すべきでしょう。

今回の場合、例えば「夫婦どちらかの年収が103万円以下の世帯の税金を軽くする配偶者控除」などとすれば問題は解決します。記事の説明で問題がないとの判断であれば、その根拠を教えてください。

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「制度を理解していないわけではなく書き方が下手なだけ」という話だとは思う。ただ、新聞の顔ともいえる朝刊1面で、しかも時間をかけてじっくり推敲できる企画記事でこれでは厳しい。

※記事の評価はD(問題あり)。

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